立山黒部に春が来た

立山黒部アルペンルート
業界紙トラベルニュースより
厳しかった冬が終わり、富山・立山黒部に待ちに待った春が到来。4月17日に立山黒部アルペンルートが全線開通すると、本格的な観光シーズンの幕開けだ。アルペンルートの春は雪の大谷から新緑へ、夏は高山植物を求めてトレッキング、秋は紅葉のパノラマとシーズンを通して楽しみは尽きない。黒部峡谷鉄道ではトロッコ電車に揺られてのんびりと自然を満喫。イベントも多く開かれ、ファミリーにももってこい。今年も澄んだ輝きを放つ立山黒部へ、癒しと爽快感を求めて出かけたい。
4月17日に全線開通 今年も「雪の大谷ウォーク」で開幕
立山黒部アルペンルート北アルプス立山連峰を貫き、富山県立山町と長野県大町市を結ぶ山岳観光ルートだ。4月17日に電鉄富山信濃大町間が全線開通し今年のシーズンが開幕。立山黒部の大自然が懐深く、訪れる人を迎え入れる。
観光シーズンのオープニングは毎年恒例のイベント「雪の大谷ウォーク」から。観光客からの要望を受け、全線開通の当日から、今年は例年より期間を延長し6月10日まで開かれる。
舞台は立山登山の基点、室堂(標高2450メートル)。豪雪地帯のこの地では高いところで約20メートル、コース長約500メートルの雪壁「雪の大谷」が出現し、そりたつ"雪の回廊"を散策できる。立山ならではの自然の造形美は、美しくも迫力十分。訪れた人はその絶景に感嘆の声を漏らす。例年、10万人超が訪れる人気イベントだ。参加は無料。
参加者には通行証をプレゼント。4月30日までは富山県認定のナチュラリストによる無料ガイドや除雪車「熊太郎」の展示、5月7日までは立山連峰を一望できるパノラマロードの開放、ソリで楽しむ雪の滑り台など楽しみは尽きない。
6月に入っても雪の大谷の高さは昨年で12メートル超とまだまだ健在。20日まで雪遊び広場も開設され、初夏まで楽しめる。

立山ロープウェイ
  立山黒部アルペンルートは高山ならではの清々しい空気と美しい景観に満ち溢れている。シーズン中は、この大自然が魅力に迫ってみたい。
  富山県側から入るとまずは美女平へ。ブナや立山杉が林立する森は、春―初夏の新緑が見どころだ。最高地点付近まで上ると室堂。夏は立山を水面に映すミクリガ池や高山植物を見に行こう。大観峰から黒部方面へは立山ロープウェイで。標高2316メートルの大観峰から標高1828メートルの黒部平を約7分で結ぶ。
4月10日には新型客車が登場。デザインが一新され、安全性や乗り心地の向上が図られた。ワイド化された視界からは、眼下に広がる大自然のパノラマが堪能できる。特に秋の大観峰の紅葉は一面に色鮮やかな世界が広がり、見逃せない。
黒部ダムから扇沢を抜けると長野県側・信州大町へ。ポイントによって見どころは様々で、訪れる人を飽きさせることはないだろう。