デンマーク、環境エネルギーなど視察旅行をアピール

WEB版業界紙トラベルビジョン2012年4月19日(木)より
 スカンジナビア政府観光局(STB)はこのほど、東京と大阪で旅行業界向けデンマーク環境セミナーを開催した。これに合わせて来日した、エネルギーや気候、環境分野などでデンマークへの視察旅行を受け入れている半官半民組織「ステイト・オブ・グリーン」代表のフィン・モーテンセン氏は、デンマークの環境エネルギーなどの技術を説明し、視察旅行での訪問を訴えた。
 同氏によると、2009年の組織立ち上げ以来、約3000人が視察旅行に訪れており、そのうち日本人は約200名。うち半分が企業の視察旅行、残り半分が行政関係の視察旅行だ。東日本大震災後、日本でのデンマークでの視察旅行の関心は高まりつつあり、中でも風力発電省エネルギーへの取り組みが人気だという。モーテンセン氏は「今後2、3年のうちに最低400名の日本人がデンマークを訪れることを期待したい」と目標を語った。
 STB日本支局局長の宮本拓氏も、震災後にエネルギー関連や環境関連の視察に関する問い合わせが増えたといい、視察旅行が夏の観光シーズン以外の季節の訪問者増に繋がるとの期待を示した。今回のセミナーでも参加した旅行会社から活発な質問が出されており、旅行会社からのデンマークでの視察旅行への関心が高まっているという。
 また、デンマーク大使館公使参事官のイェスパー・トムセン氏は「デンマークは常に環境を重視した取り組みを実施している」と政府の取り組みを説明。デンマークでは2050年までのエネルギー戦略を発表しており、2020年までにエネルギー産業における化石燃料の利用を35%削減し、2050年までに再生可能エネルギーへと転換する目標を宣言。また、2020年までに、温室効果ガスの排出量を1990年レベルから40%削減するほか、現在21%の風力発電のシェアを50%まで引き上げる目標を設定している
 モーテンセン氏は目標達成のため風力発電に加えバイオマスエネルギー、スマートグリッドや地熱などを活用していると取り組みを紹介。「より多くの日本人にグリーン・テクノロジーに興味を持ちデンマークを訪問してほしい」と呼びかけた。