日本は先進国としては世界初の「原発ゼロ」社会

北海道新聞の社説より(5/4)
原発の停止 安全な未来への出発点に(5月4日) 東日本大震災まで日本の電力供給の3割を占めていた原発が送電を停止する日がやってくる。
 北海道電力泊原発(後志管内泊村)3号機があす定期検査に入り、国内の全原発50基が運転を止める。
 全原発の停止は、政府が議論を積み重ねた末に行った選択ではない。それどころか、政府はこの状況を避けようと、なりふり構わず再稼働を急いできた。
 政府の拙速な姿勢にブレーキをかけたのは、「できれば原発に頼りたくない」「再稼働は安易に認められない」という民意だろう
 福島第1原発事故の惨状を目の当たりにした国民が、期せずして「原発ゼロの日」を実現させたと言える。
 私たちは、この日を原発のない未来に向けた真の意味での転換点としなければならない。
*脱依存の姿勢どこへ
 こうした民意を、政府は真摯(しんし)に受け止めているだろうか。
 枝野幸男経済産業相は「できるだけ早く恒久的に原発依存度をゼロにする」と強調するが、その言葉とは裏腹な事態が足元で進行している
 エネルギー基本計画を見直す総合資源エネルギー調査会経産相の諮問機関)で最近、2030年の電源構成について複数の選択肢が示された。この中には、原発比率が従来より高い35%の案も含まれている。
 こんなことが起きるのも、民主党政権原発に対する姿勢が定まらないからだ。
 野田佳彦首相は就任時に脱原発依存の方向性を打ち出しただけで、目標達成に向けた具体的プロセスには一切ふれようとしない。むしろ姿勢が後退した印象さえ与える。
 最低でも、政府が示した寿命40年という新たな指針に沿って、危険で老朽化した原子炉から順次廃炉にしていく中長期の工程表が必要だ。
 併せて、再生可能エネルギーなどの代替電源を増強し、廃炉のスピードを早める努力が欠かせない。
 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が7月に導入される。
 事業者の背中を押し、普及を加速させるためにも、首相は脱原発に取り組む決意と展望をはっきり語るべきだ
*拙速な再稼働は論外
 場合によっては、中長期の脱原発と、短期の電力需給を切り離して考える必要もあるだろう。
 あらゆる手を尽くしても電力が足りなければ、新たな規制機関が最新の知見を取り入れた基準で安全性を確認し、必要最低限の原発の再稼働を検討することになる。
 現状は、その段階ではない。電力各社は今夏の電力需給見通しを発表したが、あくまで「言い値」であり、じっくり検証する必要がある。
 何より福島の事故の原因も責任の所在も解明されていない。事故への責任を問われてしかるべき経産省原子力安全・保安院が再稼働の手続きを進めるのも論外だ。
 政府は手順を誤ってはならない。肝心な点をあいまいにしたまま、福島の事故の前と同様の甘い規制が再現されることには、強い危機感を持たざるを得ない。
 原発事故の取り返しのつかぬ被害を受けるのは周辺住民をはじめとする国民であり、途方もない損害賠償を税金や電気料金の形で負わされるのも国民なのだ。
*道の工程表も必要だ
 福島県は県内全10基の原発廃炉にし、再生可能エネルギーを軸とした復興プランを描いている。
 北海道は風力、太陽光、地熱など再生可能エネルギーの宝庫だ。
 北電は、現在接続希望のある風力、太陽光発電の270万キロワット全量を受け入れるには、北海道と本州をつなぐ海底送電ケーブル「北本連系」などの送電網強化に7千億円かかるとの試算を公表した。
 風力、太陽光は天候によって出力が変動し、道内だけではその影響を吸収しきれない。北本連系を通じて、電力の大消費地である首都圏に変動分を送電することで不安定さを克服する。
 北海道を再生可能エネルギーの供給基地と位置づければ、公費による助成も可能だろう。
 送電網は文字通りの公共財となり、中立性を高めるため発送電分離を含む電力改革の重要性が増す。
 原発廃炉と同じく、再生可能エネルギーの普及にも中長期の工程表がいる。道も交えた第三者機関をつくり、地産地消と道外への供給の両面から課題とコストを早急に検証しなければならない。
 脱原発の視点に立った条例を持つ自治体の首長として、高橋はるみ知事は工程表づくりを主導すべきだ。
 同時に、私たちは暮らしを見つめ直し、エネルギー消費のベースを下げる努力が欠かせない。原発ゼロ状態で節電と省エネに知恵を絞った経験は将来への財産となるはずだ。
 原発を他の電源に切り替える道のりは平たんではないだろう。原発が停止する「こどもの日」を、将来世代に安全な環境を約束するための長い挑戦の出発点ととらえたい

AVAAZからのメールを転載します。
今日、現在稼働している最後の原子炉の運転が停止され、日本は先進国としては世界初の「原発ゼロ」社会となります。しかし、政府は原発再稼働の可能性をあきらめてはいません。専門家は最終的には国民の要求のみが原発を止めることができると主張します。野田首相と枝野大臣宛のこの重要な嘆願書へ署名下さい。彼らに将来の完全なる原子力放棄を含む 新しい日本のエネルギー計画への誓いを呼びかけましょう。
日本全国の皆さま
今日、現在稼働している最後の原子炉の運転が停止され、日本は先進国で世界初の「原発ゼロ」社会となります。新しい時代の幕開けであり、祝福すべき大きな勝利です。しかし、私たちは再稼働への可能性を含めた全ての門戸をここで一度閉ざすべきです。
1年前、この日が来るとは誰も考えることができませんでした。 国全体が深いショックと悲しみを経験した後、唯一確信を持って言えたことは、この悲劇を二度と繰り返さないという決意でした。そして、私たちはやり遂げました。しかし戦いが終わった訳ではありません。政府は原発再稼働の可能性をあきらめてはいません。原子力なしではやっていけないと不当に主張する、強力なエネルギー会社の言いなりになっているのです。
しかし、専門家は、日本は原子力なしでも十分に経済を切り盛りする能力があり、私たちに必要なのは決意なのだと言います。ある環境省幹部は国民の意思のみが全ての原発を止めることができるとした上で、「その気になれば、日本はできる」と断言しました。我々の指導者に、私たちが求める完全なる未来の脱原発社会実現を呼びかけることで、完全停止を祝いましょう。野田首相と枝野大臣宛ての大切な嘆願書へのご署名お願いします。彼らに将来の完全なる原子力放棄を含む新しい日本のエネルギー計画への誓いを呼びかけましょう。
http://www.avaaz.org/jp/japan_its_our_time_to_shine/?vl
温室効果ガスを削減する野心的な目標から再生可能エネルギーの利用を高める取り組まで、日本の最新のエネルギー計画は好調なスタートを切りました。しかし、決定的な問いへの答えがありません。日本が原子力を永久に放棄するのかという問いです。原子力に反対する世論と、危険な原子力で国の電力を賄うべきだと主張する巨大企業の狭間で、政府は明確な態度を示すことができず、曖昧な対応をしています。日本は原子力の無い社会を目指すのだという確固たる指針を示さずにいることで、政府は間接的に危険な方法の電力供給を続けるというエネルギー産業界の方針を支持していることになります。
私たちはエネルギー選択の岐路にあります。今後2,3ヶ月は大変重要です。大手エネルギー会社と彼らを支援する役人たちが、あの手この手を使って原子力の無い日本を目指し闘う私たちの決意を打ち砕こうとするでしょう。彼らは、日本の人々が無茶な要求をしているのだと言います。しかし福島原子力災害によって、ドイツは原子力の無い社会への取り組みを始めました。私たちが決して屈することなく進んでいけば、原子力の無い社会を目指す他国の取り組みに参加するだけでなく、その取り組みを主導していくことができるのです。
今日の喜ばしい日を、野田首相と枝野大臣に原子力の放棄を求め、説明責任を要求する絶好の機会としましょう。日本の新しいエネルギー計画に原子力の無い未来への誓いを盛り込むよう要請する、野田首相と枝野大臣宛ての大切な嘆願書にご署名お願いします。日本が永久に原子力を放棄することをどれだけ私たちが待ち望んでいるか、その熱意を伝えましょう:
http://www.avaaz.org/jp/japan_its_our_time_to_shine/?vl
環境、そして子々孫々まで続く未来にとって安全な、新しい日本の道を切り開く生涯に一度のチャンスが与えられました。今、以前にも増して共に力を合わせ、私たちそして子供たちのために安全なエネルギー社会を築いていきましょう。
希望と決意を込めて
ジェイミー、路、キア、エミリー、ミシェル、リッケン、Joo-yea  Avaazチーム一同
詳細情報:
北海道新聞 「全原発の停止 安全な未来への出発点に」 
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/369804.html

河北新報 「あす全原発停止 東北電力、再稼働見通せず」
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120504t75003.htm

毎日新聞 「泊原発3号機 5日に停止で国内稼働ゼロに 42年ぶり」
http://mainichi.jp/select/news/20120504k0000m010097000c.html

東京新聞 「泊停止・原発ゼロへ 私たちの変わる日」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012050402000102.html
AVAAZについて
Avaaz.orgは世界の人々の声や価値観が政策決定に反映されるよう世界規模でキャンペーンを行う非営利団体です(Avaazは様々な言語で「声」を意味します)。Avaazは政府や企業から一切資金援助を受けず、ロンドン、リオデジャネイロ、ニューヨーク、パリ、ワシントンDC、そしてジュネーブを拠点とするスタッフにより運営されています。 +1 888 922 8229
FacebookMyspaceもチェックしてみてください!
貴方は、tmatsuoka@ares.eonet.ne.jp を使い、2012-01-27に"福島の子供たちのために20万人の署名を" に署名いただいたので、このメールを送信させていただきました。Avaazからのメールを確実に受信するためにavaaz [@]t avaaz.orgをご自分のアドレス帳に登録してください。メールアドレス、言語設定など各種設定の変更は https://secure.avaaz.org/act/index.php?r=profile&user=6c2517464e12be6f5712236b42082346&lang=jp, でおこなえます。 配信停止はここをクリックしてください。
Avaaz.org 857 Broadway, 3rd floor, New York, NY 10003 U.S.A. Avaaz.orgはニューヨーク、ワシントンDC、ロンドン、リオデジャネイロを拠点に世界中で活動しています。