カウアイ島、「日本人取り戻したい」−特別な魅力で認知向上へ

WEB版業界紙トラベルビジョン2012年7月17日(火)


カウアイ島のアイランド・ウィークで来日したメンバー。中央がカウアイ島観光局のナカマス氏。アストン・ホテルズ&リゾーツ、パシフィックリゾート、セントレジス・プリンスビル、グランド・ハイアット・カウアイからも参加  ハワイ州観光局(HTJ)は第2弾のアイランド・ウィークとして、カウアイ島観光局とパートナーを招聘し、東京、大阪、名古屋の旅行会社を訪問した。来日したカウアイ島観光局ディレクター・オブ・セールスのリサ・ナカマス氏は、7月13日のメディア懇親会で「他のハワイの島とは異なるカラーがある。カウアイ島だけのエクスクルーシブな魅力を伝えたい」とアピール。グリーンアイランドともいわれる豊かな自然とともに、多くの人に知られていないことを逆手に秘められた特別なイメージを打ち出し、日本での認知浸透をはかる意向だ。日本市場に対しては「以前は多かった日本人旅行者を取り戻したい」と意欲的で、カウアイ島の魅力を伝えるためのエデュケーショナルなキャンペーンを実施したい考えだ。

 カウアイ島といえば王家の婚礼の地であったシダの洞窟や、ナパリコーストワイメア渓谷などの自然の造形美のほか、エルビス・プレスリー出演の映画「ブルーハワイ」のロケ地というイメージが強い。さらに、最近は用水路跡を利用したマウンテンチュービングやジップラインなど、環境に影響を与えないアクティビティも誕生。島内の食材を用いたレストランや観光列車のあるキロハナ・プランテーション、ハナペペでのアートギャラリーなど文化的な要素も多く、観光素材は豊富だ。宿泊施設もホテル、コンドミニアムなど多様で、ナカマス氏は「グループもFITも受け入れられる」とアピールする。

 ただし、シダの洞窟は2006年の台風の影響で、中に入ることができなくなり、入り口での観光のみとなった。また、今回の旅行会社との意見交換では「若い人にエルビス・プレスリーといっても、知らない人も多い」と、従来のイメージを刷新して新しいアプローチを考案する必要性も認識。「現地関係者は日本で収集した意見を楽しみに待っている」といい、島全体で日本市場の誘致を強化する姿勢をアピールする。

 日本人旅行者は主力のシニア層のほか、オアフ島で挙式したカップルのハネムーン需要も増加傾向にある。さらに若者層の誘致も強める意向で、初心者で英語が話せない人でも旅行しやすいような観光整備を進める考えも明かした。

 なお、HTJは今年、カウアイ島に対して「マイナスイオンいっぱいのカウアイ島」とコピーをつけ、セールス活動を行なっている。HTJ営業本部長の三枝肇幸氏は、「ワイキキとは異なり、カウアイ島にはベールで覆われた部分がある。それが魅力となっているが、魅力を伝えるためには外に出していかなくてはいけない。バランスを取りながらプロモーションしていく」と述べた。