投票日前日の確信犯的記事に抗議

KokusaiTourist2012-12-15

貴紙の半世紀を越える読者です。今日15日、すなわち投票日前日の夕刊、1面の記事を読み“驚愕”を覚えました。記事のタイトルは「遊説駆けた党幹部」、見出し、中見出しは、「衆院戦あす投票」「回数1位 石破氏」「民主は細野氏」「橋下氏全国へ」で、ヨコ4分の1、タテ8段ぶち抜きで、ご丁寧に遊説回数のグラフと党首の写真入りで、高橋福子記者の署名入り記事です。
政治的に公平、中立であり、選挙報道では特に不偏不党をつらなければならない報道機関の責務を放棄した自殺行為、さらには特定党派・候補についてのみとなっては選挙妨害、それも投票日前日の夕刊紙掲載とあっては、他党に反論の時間を与えない確信犯だと言わざるをえない。
 党首を含む幹部が期間中全国遊説を何回こなしたかの「成績表」に掲載された政党は、民主、自民、未来、維新の4党で、それぞれの党首を含む幹部11名なのです。今回は12党が立候補しているのは、周知のことで、掲載されていない残り8党の党首も幹部も、まさに全国を「駆けた」のです。我々もとより、どの政党がどの程度全国遊説に力点を置いていたのか、あるいはその回数を知る立場にはありません。しかし、少なくとも天下の「朝日」がそれらの情報を承知してないとは思えません。知っていながら、公平に報道しないのなら、マスコミによる意図的に特定党派のみ露出させる選挙妨害、始めから4党以外の選挙運動に無関心で取材もそこそこでは何をか言わんやです。
さらに選挙戦報道の核ともいうべき政策論戦から離れて、その回数を競うコンペのごとく報道しています。読者の知りたい情報を伝え、権力を監視するジャーナリムズのあるべき原点を歪め、厳しい生活環境の下で、今回の選挙に何とか期待し前日になっても投票先を真剣に思い悩む国民が望む記事などでは決してありません。選挙の意義を引き下げ、政治の劣化、「劇場化」を演出していると言わざるを得ません。民主主義と遵法の観点から断固抗議し、担当記者とデスクの猛省とともに謝罪記事の掲載を求めます。
夕方、貴社に電話を入れました。土曜日で5時で読者の窓口は終わりましたので月曜日にあらためて…とした交換手に10分にわたり担当部署に伝えるようにとゆっくりと上記の内容を伝えました。(T.M.)