私たち国民は、3年の間に声を上げ、行動することを学んだ

−選挙結果におもうこと−
議席が確定し、自民党が圧勝した。公明党と合わせると325議席、3分の2を超えるとんでもないことになった。恐らく彼ら自身の予想をも超えたのではにないか。今のところ、幹部は「自民党が勝ったのではない。民主党が愛想をつかされた結果で敵失」だと、謙虚なコメントを発している。
とはいえ、原発は事実上存続、成長率を多少上げて消費増税は実行、社会保障は自助、憲法は特に9条改悪、TPP推進、沖縄普天間基地辺野古移転など…どれをとっても国民にとって良い政策など一つもみあたらない。3年前の民主党政権誕生で生まれた多少の国民の期待感は、今回は何も無いはず。自公政権に期待した国民の選択とはとても思えない。
それどころか、3年の間、民主党が国民が見放されたのは、民主党自民党化の過程と重なっている。その間、自民党は国民に信を問えと解散を迫ってきたが、選挙に勝つための民主党との差別化を図ろうとすればするほど、地金としての「右傾化」を押し出すことでしかなかった。
小泉内閣の「構造改革」で痛めつけられた国民と、あれすさんだ社会を、戦前回帰的に保守的に「再生」するために現れたのが当時の安倍内閣だった。1年も持たず、以来自・民と何人もの短命内閣が続くはしりとなった。
この度は、前回よりもっと露骨に軍事的にも危険な政策を公言してはばからない。危険性は前回の比ではない。いわゆる「第3極」とも政策毎の協力を双方が認めている。
しかし、これらの政策を強行すればするほど、3年間に自ら声を上げ、自ら行動を重ね、政治を変えて行く展望を学んだ国民との矛盾の激化は避けられない。さらに大きな共同の運動を展開してその中から、国民の切実な生活要求を実現する「小異を保留して大同につく」政治勢力を育てていかねばならない。
選挙の結果に沈み込んでる時間はない。それぞれの生活、仕事の場で、自らの要求を再確認し、声を上げ共同を大きく広げて行こう。(T.MATSUOKA)