地球へ途中下車第9回

素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録

前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20130223

2011年07月17日(日) 17時50分17秒
タイ
メコン川(国境)を超え、ラオスへ】

7月16日
早朝、長距離バスバスステーションからラオスとの国境のまち、チェンコーンへ行くバスに乗り込みました!
メコン河を渡ってラオス入りです!
チェンマイから、ラオスとの国境の町、チェンコーンへ6時間で行くバスは一日2本。
6時30分と1時(?)にあります。(行かれる方は必ず現地で確認してください。私たちも朝は8時だと思っていました!…。土曜だから?)
夫と妻は前日、下見がてらチケットの予約をするために貸自転車でバスステーションまで来ました。(バスステーションは町からちょっと離れたところにある)
自転車を手に入れたときは、涼しいし! 早いし!
自転車最強!
と思ったけど、途中から雨が降ってきて、ずぶぬれに…。
自転車最悪…
(ま、帰りは雨も上がって、道のはしのあちこちに出現した大きな水たまりに自転車で突っ込み、両足を上げてヒャッホー! なんて遊びを何十年ぶりにやって、それはそれでちょっと楽しかったんですが…)

バスのチケットですが前日の夕方でももう、二つならんでとれるのは最後部席しか空いていませんでした。同じルートで行かれる方はぜひ、早めの予約をお勧めします!
…さてさて当日の朝。最後部の最強に条件の悪い席に押し込められたのはほんのちょっとの間で、そのうち席が空いてきて、席移動。トイレ休憩も2、3度あり、6時間はすぐでした。

途中で日本人大学生のバックパッカーと合流。バスを降りてから3人で昼ごはんを食べ、トクトクに乗り、タイ国境チェンコーンから出国、船に乗って、ラオス国境フエサイまで移動しました。がんばれ、日本の若者。

メコン川を渡ればそこはラオス

ラオスの通貨はバーツも使えるようですが、Kip(100kip=1円)へ。
フエサイでは別の日本人パッカー3人とも出会いました。バス乗り場へ向かうトクトクで一緒だったフランス人はもう2年もミャンマーバングラデシュパキスタンなどを旅行していると言っていました。
…なんだか、夫と妻、これまでの観光客ルートから、一気に確実にバックパッカーけものみちとでもいうか王道ルートに足を踏み入れた感じがしました。
フエサイからルアバパーンへ行く方法は3つ。
メコン川をスピードボートで6時間
 (保津川下りのような船でかなり怖いらしい)
・スローボートで1泊2日
 (泊は自分もち)
・夜行バス

このうち、川を下る2つの方法は明日の朝まで船が出ないので今夜フエサイ(国境の町という以外なにもない)に一泊しないといけません。
…我々は今夜5時に出発して翌朝6時にルアバパーンに着くという夜行バスに乗ることに決めました。そうしたら、今夜の宿泊費も浮くし、明日の朝から丸一日使えるし…
…予定が遅れる、と言っても、まあせいぜい2、3時間のことだろうと信じて…
その後、悪夢の夜がやってくるとは想像だにせずに…(つづく)

2011年07月18日(月) 01時09分14秒
ラオス
ラオスの夜行バスで遭難しかけた】
5時。定刻通りルアパバーン行きのバスはフエサイを出た。

到着予定は明日の朝6時。一人750バーツ (実はバスターミナルで直接買ったら500バーツだった=1500円)またまた最後部座席…。
バスのスケジュールは3時間ほど走り、夜8時頃、夕食のため、どこかへ寄る。そのあとはノンストッ プでひた走る。トイレに行きたくなったら言ってね。
間もなく、国境のまちフエサイを出ると、バスは山岳の農村地帯を走り続けた。そのとき、バスの車窓 から眺めた光景はいまでも忘れられない。
70〜80年年前の日本の農村風景…

高床式住居だったり、日本と生活様式は多少違うけど、そこには貧しくとも心豊かな暮らしが、連綿と 継続している自給自足の暮らしが展開されていた。
小さな村の単位があり、家々が寄り添い、子どもたちが本当にたくさん遊んでいる。大きな子どもが小 さな子の面倒をみながら家事を手伝いながら。牛が飼われ、豚が飼われ、鶏が庭に放し飼いにされ、野に畑に豊かな実りがあり、確かなくらしがある ようだった。
時代から取り残され、置き去りにされているというよりも、ここではこの楽園が守られ、継続しているように見えた…。
やがて山あいに美しい棚田が展開しはじめた。人々の営みが作り上げた自然の芸術作品。

棚田を見たのを最後にあたりが暮れ始めた。

…と、ここで気がついた。この道路、街灯がまったくない! 街灯だけではない、道路の周辺に明かり というものが存在していない。まっくらなのだ。
あの家々は? そう、それが真っ暗! …だけどよーく見ると、部屋の中らろうそくの灯りらしきものが見える!
こっ、これは…ほんものの楽園だ…。
関心する妻を無視、バスは漆黒の闇のなかをひたすら走っていた。車内も真っ暗。でももうすぐ8時 だから、どこか明るいとこへ着くはず。そうしたら夕食。
…と思っていたら、暗闇のなか、バスが突然、停車した。いやな予感がした。さっき坂道を登るとき、エンジン音がしんどそうだったのだ。トラックに追い越かれた。
そしてエンジン音停止
……
あたりは静寂に包まれた。車内のクーラーも止まった。
乗客は7割がラオス人で3割が外国人。ラオス人たちは特に騒ぐ様子もなく、めいめいバスから降りて、草陰でトイレをしたり、後部でエンジンを分解しはじめたバスの運転手の作業を眺めている。作業と言ってもロウソクの灯かりでの作業だ。
車内も真っ暗。乗客はみなそれぞれ携帯電話を取り出し、ライトがわりに自分の足元を照らしている。
夫と妻は以前にも似たような光景を見たことことがあったのを思い出した。中国湖南省鳳凰へ行ったときのことだっ た。あともうすこしで鳳凰というところでタイヤがパンク。スペアタイヤはあるのか?代わりのバスが 来るのか?と思っていたら運転手はおもむろにタイヤを外すと、抱えて川へ持って行き、どこが破れて いるか調べてその場でパッチを貼って修理した。1時間半後、バスは再び動きはじめた。
そのときの経験があるので、あわてることはなかった。アジアのバスではよくあることだと認識してい た。しかし逆にそれがあるので、また、代替のバス搬送や、レスキュー隊などという、先進国的なもの がないこともまたよく知っていた。
そんな余裕などもともとないからこうなるのだ!
この場で修理をし て、バスを再び走らせること以外に選択肢はない。そうか乗客が愛想をつかしてバスから降りるか。
しかしあの時は昼間。今は真っ暗闇! 修理しようにも手元も見えないぞ! ロウソクの灯りでどうやってエンジ ンを直すんだ! だいいちここはどのあたりだ! いつ修理できるんだ! できなかったらどうすんだよ!
午後10時─4人乗っていたバスのクルーのうち、3人が通りかかった車をヒッチハイクして現場を離れた。部品を持ってくるのか、応援を呼んでくるのか?
とにかく待つしかない。
クーラーが切れたとはい え、幸い夜。バスのなかは暑いとは言え我慢できなくはない。乗客は半分が外で車座になって談話を始めたり、道路で寝転がるもの、おかげで広くなった車内の座席で寝るもの、二手に分かれた。

わた したちも寝るしか仕方ない、とバス車内で眠りはじめた。
午前1時。バスが止まってからすでに5時間が経過。一台のバンがやってきてバスの後部についた。よ うやく本格的修理がはじまった。
午前2時前、再びエンジンがかかった。バンザイ!
結局、ルアンパバーンに着いたのは午前6時の予定が8時間送れの午後2時すぎだった。
教訓1 夜行バスに乗るときは懐中電灯は常に手元に持って乗るべし。。
教訓2 不測の事態に備え、水と非常用食料品を携行して乗るべし。この日結局、夕食ぬき!
…思えばバスがスタートしてすぐ、一人一本づつの水と、キャンデーが配られた。そのときは「へー、飛行機なみ のサービスじゃん」、とおもったけど、今にしておもえばあれは緊急時にはそれぞれでサバイバルしてね 、ということだったのだ…きっと。




2011年07月20日(水) 09時29分38秒
ラオス
【ルアパバーンと言えば托鉢】
…というわけで、ま、いろいろあったけど、とにかくやって来ました世界遺産のまち、ルアパバーン。夜行バスのバスターミナルから町まではトクトクで一人15000kips(150円)。
バス災難以来、車内では外人のバックパッカー同士が、結構団結して、降りたときも乗り物のシェアにも声をかけてもらいました。
ほんとうに旅は道連れというか、渡る旅人に鬼はなし、です。
ルアパバーンは古いお寺が数多く点在する静かな古都です。

またまた夜はナイトマーケットの屋台で盛り放題一皿1000kips(100円)料理を食べたり…


小高い丘の寺院、プーシーからメコン川流れるルアパバーンのまちを見晴らしたり。
ラオスの家の屋根が赤いのは、きっと人々がメコンの色を愛しているかでしょうか?…なんちて)

赤十字のマッサージ4万Kips(400円)&サウナ1万kips(100円)…。
カーテンでひょいと仕切っただけのマッサージ室は自然の風だけだけど、けっこう涼しく、汗とタイガーバームみたいなクリームでこねこねにされ、通りの喧噪を子守唄がわりに聞きながらマッサージに身を委ねているとおもわずウトウト…。
サウナはこんな衣装に着替えます!

温度熱めのサウナ室はよもぎレモングラスの香りが素敵…。もち米でできた蒸し菓子になったきぶん…
仕上げには温かい薬草茶、飲み放題。地元の人の憩いの場にもなっているようです。
ラオスに滞在している数人の日本人男性とも出会いました。
もちろんシャワーはなくて、トイレシャワーの水桶に汲まれた水を浴びる…これってお尻を洗う水…?! えーい、妻、こうなったら、もうその国の子になっちゃいます!
…けっこうきもちいい…
(この水桶、金魚を飼っているところも見ました…浄化作用?)

食べ物はヌードルスープに生の香草やライムがたっぷり添えられてきたり

フランスパンのサンドイッチがあったり、ラオコーヒーというエバミルクを入れて飲む濃くて甘いコーヒーがあったり…ベトナム文化との強い共通性を感じさせます。
…ところでルアパバーンといえば、早朝のお坊さんへの托鉢。
あれを見なきゃルアパバーンに来た意味がないですよね!
ええ、もちろん、がんばって朝5時に起きて、ゲストハウスの部屋を出ました。
……
……
…入口の玄関の門に南京錠がかかっていて出られない…。

OH MY GOD! 
…ていうか、むしろ、この場面では
OH MY BUD?!

…昨日、チェックインするとき、明日の朝、托鉢が見たい、って言ってそれで時間も確認しておいたのにぃぃぃ…
晴れてたら塀を乗り越えて脱走も試みただろうけど、あたりはどしゃぶりの雨…
部屋に戻って寝ました…。

メコンは悠々と流れる…

(でもその後、タイに戻ってアユタヤの駅前でも早朝、托鉢の風景を見ました!)





2011年06月05日(日) 12時01分58秒
旅の準備編
【かばんえらび】
せか一旅行に持っていく鞄(かばん)えらびですが…

私たちははっきり言って
体力がありません!
この点ではきっぱり!と、弱気です。

空港のなかの長い通路や、平坦で舗装されている道では、できればキャスター付の鞄をゴロゴロと押したいです!
…でも地球上には、平坦でもなければ、舗装もされていない道がゴマンとあることも知っています。…っていうか、そっちのほうが完全に多いです。

…そこで我々夫婦が目をつけたのは、キャスター押しと背中に担ぐリュックを切りかえることができるスイッチバックという代物です。

今回のせか一旅行の金剛杖(?)に我々は、イーグルクリークの30リットルを選びました。
イーグルクリークには丈夫なキャスターが付いており、引き手を伸ばしてゴロゴロ押すことも、リュック仕様にして背中に担ぐことも、二通りの使い方が可能です。

キャスター使用時            リュック式のとき

イーグルクリークが優れている点は、これだけではありません!
なんと、おまけにサブリュックがついていてそれを本体から着脱することができるのです。
サブリュックは絶対に必要と思います。
同じ宿に2泊以上したときは、メインのザックは宿に置いておき、普段は、むしろちっこいほうが活躍する場面が多いと思います。
だけど大きく移動するときは合体させて、一つにしてして担ぐなり、転がすなりすることが可能です。



サブリュックを切り離したとき   サブリュックをくっつけて一体にしたとき


いやいや、これには関心しました。
これではまるでいいことづくめです!


…しかし、世の中、そんなにヨイことづくめのウマイ話は経験上、そうそうあるものではないことはみなさんすでにご承知のことと思います。

そうはトンヤがおろしそハンバーグ…です。

イーグルクリークはキャスター使用時、リュック時、どちらの機能も手を抜かず、どちらがメインでどちらかは付け足し…ではなく、どっちも完璧をめざしています。
…その結果、頑丈なキャスター・引き手と、登山リュックなみの担ぎ部分(腰あてパッドつき)、がこの鞄の主役!で、容量も重量もそれに大部分をとられ、どちらかと言うと(実は肝心の)荷物を収納する部分の容積が、その二つをとって「余った空間」って感じで

…収納部分がきわめて狭い!
のです。

(それでも上手にパッキングすればかなり入るとは思うのですが…)
(´0`);
ま、“荷物は極力少な目に!” 
が定番のスローガンですし、大きな空き容量があると、どうしてもそこにたくさんの荷物を詰め込んでしまい、結果的に重量が重くなるのは目に見えているので、かえってそのほうがいいのかもしれませんが…。

でも空っぽでも、結構、重いんですよね…
これって便利なんだか、どうなんだか…

まっ、このかばんえらび、
吉と出るか、凶と出るかは、(←きわめて中高年なボキャブラ
実際に世界で使ってみないとわからないかなーと思っています。

また報告します…