新大久保での“外国人排外右翼デモ”に弁護士集団が抗議声明

東京の知人から下記のメールが届きましたので掲載します。
在日朝鮮人の特権を許さない会」略称「在特会」という、右翼集団が新宿のコリアタウン新大久保で海軍旗をならべ、朝鮮人殺せ、日本から出ていけ等の威嚇的デモを繰り返しています。数日前の東京新聞では「ヘイトスピーチ」ではないかという批判的な記事が掲載されましたが、取り締まる法律は無く、大久保通りに多数いる韓国・朝鮮の在日者に恐怖感を与えています。その一方、沿道にはネットの呼び掛けで集まった多くのメンバーが「なかよくしようよ」などと書かれたプラカードを掲げ、抗議する姿も見られました。 ヘイト(憎しみ)スピーチは、ナチス親衛隊によるユダヤ人狩りに教訓を学んだヨーロッパでは犯罪として禁止されています。 弁護士集団が抗議する声明などを発表しました。
写真は武蔵小杉合同法律事務所ホームページより

























声 明

本日私たちは、本年2月9日以来4回にわたって東京都新宿区新大久保地域で行われてきた外国人排撃デモの実態に鑑みて、今後周辺地域に居住、勤務、営業する外国人の生命身体、財産、営業等の重大な法益侵害に発展する現実的危険性を憂慮し、警察当局に適切な行政警察活動を行うよう申し入れた。
外国人排撃のための「ヘイトスピーチ」といえども、公権力がこれに介入することに道を開いてはならないとの表現の自由擁護の立場からする立論があることは私たちも承知している。しかしながら、現実に行われている言動は、これに拱手傍観を許さない段階に達していると判断せざるを得ない。
このまま事態を放置すれば、現実に外国人の生命身体への攻撃に至るであろうことは、1980年代以降のヨーロッパの歴史に照らして明らかなところである。
また、ユダヤ人への憎悪と攻撃によって過剰なナショナリズムを扇動し、そのことにより民主主義の壊滅を招いたヒトラーとナチズムの経験からの重要な教訓を、この日本の現在の全体状況の中でも改めて想起すべきと考える。
以上のことから、私たちは当面の危害の防止のため緊急に行動に立ち上がるとともに、マスメディアや、人権や自由と民主主義の行く末を憂慮する全ての人々に関心を寄せていただくよう呼びかける。
また、上記の集団行進や周辺への宣伝活動において一般刑罰法規に明白に違反する犯罪行為を現認確認したときは、当該実行行為者を特定したうえ、当該行為者と背後にある者に対して、その責任追及のためのあらゆる法的手段に及ぶことを言明する。
2013年3月29日
弁護士 宇都宮 健児・澤藤 統一郎・梓澤 和幸・中山 武敏・海渡 雄一・中川 重徳・渡邉 彰悟・杉浦 ひとみ・殷 勇基・神原 元・田場 暁生・中川 亮