日本のメディアは何故真実を報道しない!

くらし学際研究所が次のようなエッセイを連載します。転載させていただきます。
エッセイ 連載 「原発と……」
第1回 原発とメディア○○○○  くらし学際研究所 落合淳宏
 下の写真を見て欲しい。イギリスのテレビSKY NEWS が報じた福島第1原発3号機の爆発の映像だ。数百メートル(手前に白く見える2本の主排気筒の高さは120メートル)立ち昇るキノコ雲状の黒煙の一番上あたりから、大きな構造物がバラバラと落下している。この場面の直前には、閃光が走る瞬間も写っていた。テロップには「NHK TV 」とあった。
 しかし、日本でこの「衝撃の場面」の映像を見た人はそんなに多くはない。というのは、日本ではこの時点でこの映像は流されなかったからだ。NHKは、「3号機が水素爆発し白煙が立ち昇ってる」映像に差し替えて放送した。

 海外でこの映像が流されたあと、アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国の政府は、「80キロ圏内の避難勧告」を出した。当然とも言える対応だった。ドイツは、「脱原発」を決めた。

 いっぽう「ご当地」日本のメディアは、枝野幸男官房長官(当時)の「直ちに人体に影響はない」を、オーム返しに繰り返していた。こうしてNHK原発の「魔性」を隠した。それでも国民の7割は、「安全神話」のデタラメを見抜き、脱原発を求めている。
その一方で、政府や財界は、原発再稼働、原発建設再開、原発輸出にひた走っているのだ。なぜか?
(表題の「…」部分を「アベノミクス」「アメリカ」「倫理」として月1回を目途に4回連載します)