地球へ途中下車第36回

素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録

前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20130511

今日はブルガリアからいよいよギリシャ入りです。


2011年10月02日(日) 05時56分38秒
ブルガリア
【ソフィアで、またまたスリに接近遭遇!】
…昨日のゲオルギ教会前でのできごとです。

一人の日本人の個人旅行者に出会いました。さすがにブルガリアで日本人にであうのは珍しい。
ルーマニアのユースではルーマニアの大学で医学を勉強している日本人学生と出会った。アパートを借りるより安いので、ここにしばらく住んでいる、と言っていました…)

で、ゲオルギ教会の門のなかで、3人でしばらく立ち話をしていました。

すると、やおら向こうから外国人観光客(を装った)の10〜20代の若い女の子の3人づれが近づいてきて、まず、妻のまわりにやってきました。2人が手に手に地図を持っています。

「Excuse me マリアホテルはどこか、知りませんか?」
とかなんとか。あとは聞き取れない言語で口ぐちにしゃべり、困っている様子を強調。2人が地図を広げて、ここか、そこか、と指さしています。

その、あまりの異常接近ぶりと、3人でターゲット1人を取り囲むような立ち位置に、すぐに身の危険センサーが作動した妻は、
「ごめんね。私にはわからない」
…と3人のそばから離れました。

すると彼女らはさっきの日本人の男性のところに接近。彼は親切に地図を一緒に見はじめました(普通、そうするよな。相手は美人だし若いし)。2人が地図を広げて両脇から囲み、もう一人がななめ後ろから2人の地図を覗き込むようなポジションをとっているのですが…
妻はしっかり3人のうごきを観察、そして彼が手に持っている手提げのカバンがしっかり見える位置に移動しまくって、彼のカバンから目を離しませんでした。
するとやっぱり、後ろに回っていた女性がすばやくチラと彼のカバンの中をのぞき込んだ! 

 いま、確かにチラ見したよね!!!

でも、めぼしいものが入っていなかったのか? それとも妻があまりにもしげしげ3人の様子を注視していたからか、3人はあきらめて、離れていきました。
そのとき、近くのベンチに座っていた2人の男性(同じ人種)がいたのですが、3人のうちの1人が、チラと目くばせをした!

 いま、絶対、合図したよね!!!
 (家政婦は見た!妻は見た!)

…たぶん5人は仲間なのだと思います。男性2人は窃盗がばれて彼女たちに危険がせまったとき、野次馬のようなフリをして近づいてきて、騒ぎを大きくして、その間に彼女らを逃がす役割なのでしょうか。

地図を広げて観光客を装うところ、ハンガリーで出会った中年女性と同じですが、こっちは3人+2人でかなり計画的、悪質です。

民族差別、偏見になるし、はっきり断定したわけではないし、はっきり書けませんが、2度とも、★★★系の人たちでした。ハンガリーブルガリアの地元の人ではないようと思います。移民なのかもしれませんが。

ほかにもヨーロッパのいろんな国で駅で無賃乗車で摘発されていたり、道でポリスに何か言われていたり、たびたび見かけるので、夫と妻はなんとなく、そのもっている雰囲気がわかるようになってきたのですが…



とにかく観光名所では、

地図を手に道を聞いてくる美人
には、要注意です!

2011年10月03日(月) 06時34分26秒
ギリシャ
【世界旅行、醍醐味な一日】
列車が2時間半遅れで、カランバカの駅に着いたのは、夜9時を回っていた。

バス…どころかタクシーもない! 
列車が遅れたためか、一緒に降りた乗客の何人かが先にタクシーに乗ってしまっため、切符売り場で明日の列車の時間を確認していた夫と妻は、タクシー難民になってしまった!
さみしい駅前で待つこと約5分。一台のタクシーが拾ってくれて、予約していたホテルの前で降りた。後ろの山を振り返ったとたん!

  びっくりした〜Σ(゚д゚;)! 
 どぎも抜かれた!
 
畏敬の念どころか、ちょっと恐怖感さえ感じた。

そこは、メテオラ巨石群の真下だった…。

………

今日は朝から波瀾万丈な一日だった。
ソフィアの駅から朝7時16分のテッサロニキ行きに乗るのに、ドミの他の住人を起こさぬよう、静かにユースの部屋を出て、まだ暗い街をトラムの電停まで歩く。

ソフィア駅の表示板…
7時16分発テッサロニキギリシャ)行きの列車の表示が、ない!

…時間が変わったのかなー? でも表示がキリル文字なので読めない。列車番号もない…インフォメーションで聞くしかない。

「ネー(ない)」
「えっ? ない、って どういうこと?」
「ネー。その列車は2月でなくなった」
「えっ?(信じられず理解できていない) これやけど」
列車番号と時間と行先を描いたメモを見せると、
「ネー!!!」
とメモに思いきり、大きく×バツを書かれた。
「さっきから、ない、いうてるやろ! 何回いうたらわかるんじゃ! このボケの外人がっ!」 ってかなりキレてる感じ。

恐る恐る、「…ブス?(バスは?)」と聞くと
「ブス、ダー(ある)」
あーよかった、バスはあるらしい…
と、やりあっていると、一人のブルガリア人が、「バス乗り場はこっちだ。ついておいで」と長距離バス乗り場につれて行ってくれた。
…本当にどこに行っても親切な現地の人がいるから旅行が続けていけると思う。
バスを予約して朝ごはんを食べに行く。

バスの座席は、またまた最後尾。外人ってそうなるのか? 
ま、ま、8時発のバスで国境を超え、ギリシャへ来れたんだし、よしとしよう。

「ほんまに時刻表に載ってる列車がいきなりなくなるなんて、どういうことや!」「なあ」「ギリシャはそんなことないと思うよ。経済破綻だなんだとか言ってるけど、いちおうヨーロッパだしな。古代文明の国だしな」「そうやそうや。ギリシャに入ったらもう安心や」
ギリシャはな…

…バスを降りて、ギリシャテッサロニキの駅に着いたとき、2人ともひいた。
駅じゅう、待合室といわず、ホームといわず、列車の線路もいたるところゴミだらけ!

こわれているのか、それとも使うことやめているのか、列車の表示版が作動していない駅は、はじめて見た。列車は落書きだらけ、ほこりだらけ。
しかもテッサロニキからカランバカまでの列車の時間が変更になっている。確認しようにも表示版がないし、ホームの表示版も壊れて使われていない…インフォメーションの兄ちゃんは友人としゃべりっぱなし。

とにかく、4持17分まであと3時間ある。
テッサロニキ世界遺産ビザンチン様式の教会群のあるまち。ひとつでも見ようと、夫と妻は駅にいる人から情報を集めてまちに出て、ディミトリオス教会を見に行ったあと、カランバカ行きの列車に乗った…

…までは、まあまあ順調だった(?)。
テッサロニキまであと40分、というある駅で、列車が止まったまま動かなくなってしまった。車内放送があり、乗客がみなぞろぞろ降りだした。さっき、行先を確認するのに英語でしゃべってくれた女の子が「トラブルで列車が動かなくなりました。ここで、みんな、降りなければなりません」と教えてくれた。
駅の周りには何もない。

えっ? で? どうなるの?

「あと、20分で代わりの列車が来るそうです」
…待つこと1時間。
「あと35分で来るそうです」
…待つこと2時間。

ようやく来た列車は3両編成で大混み。
ホッとした瞬間…

列車が反対方向に動き出した!これにはびびった…。
その前にも何台か、「○○までなら、この列車に乗れ」…というのがあり、そのたびに「カランバカ?」と確認、「NO、カランバカ、ネクスト」と言われてて、ようやく乗った列車だったのだ。

でも、その駅はもともとスイッチバックの駅だったんだろうか?
(ややこし…)
…なぜか無事、終点カランバカに着いた…

……
そんな一日の最後に見た、夜の闇にそびえるメテオラ巨石群には、どぎも抜かれた!

今日一日を清算するのにじゅうぶんすぎるインパクトだった!

ホテルで教えてもらった近所のタベルナ(大衆食堂)は、安っぽいお皿に山もりの雰囲気といい、気のいいお母さん、料理を運び終わるとテレビのホームドラムに見入っている雰囲気といい、近所のおっちゃん2人がしみじみ飲んでいる感じといい…まさにギリシャ版「千成食堂」! 2人とも大好きなムードです!
豪快なラムチョップにジンジャー味の自家製ワインでカンパイ!

それにしてもメテオラ巨石群、すごすぎます…

明日、写真でしっかり報告します!









2011年10月04日(火) 16時11分12秒
ギリシャ
【メテオラのストーンパワー】
ホテルの窓からです。昨日、どぎもを抜かれたのは、

この岩がぼんやりライトアップされていて、すぐ背後に迫っていたからなんです。
朝焼けで赤く染まっています。
ホテルは1泊2人38ユーローですが、窓から見えた朝焼けです!


メテオラは巨岩群で、切り立った岩の上にいくつもの修道院があります。まちなかのバス停から1人1、8ユーローでいちばん山頂のグレートメテオロンまでバスで一気に登りつめ、そこから各修道院を見学しながら、下り道をおりていきます。

一番頂上にあるグレートメテオロン。修道院に登るにはこんな階段がついています

二つ目の修道院を上からみたところ




こんな景色や

こんな景色は
中国の武稜原を思わせますが…
花崗岩ではなく、ぜんぶ一枚岩なので、オーストリアのウルルにも似ていると思います(行ってませんが…)
自然の力と宗教的、人為的な建築という点ではモンサンミッシェルにも近いかな…

朝9時のバスに乗って、修道院を3つ見て、ふもとのタベルナ(レストラン)でお昼にしたのは1時ぐらいでした。

自然のすごさと人のすごさをどちらも感じられます。

でも、とにかく、ストーンパワーがすごいです!