参院選 「消費税」をめぐる各党の主張を検証しました。

フジテレビ系(FNN) 7月11日(木)19時39分配信
参議院選挙の公示から1週間がたち、選挙戦も熱を帯びてきましたが、その争点の1つ、「消費税増税」を取り上げます。
11日、日銀が国内の景気判断について、2年半ぶりに「回復」の文字を盛り込みました。
この景気の回復とともに、消費税増税が現実味を増す中、各党の主張を検証しました。

6月にオープンした、千葉市内のスーパーマーケット「マルエイ稲毛海岸店」。
同じチェーンのほかの店では、消費税額を含む総額だけを表示しているが、この店では、2014年4月に予定されている消費税率の引き上げを見越して、税抜き価格も表示するようにした。
冷凍食品の場合、税抜き価格は209円、そして、税込み価格が219円といった表示にしている。
マルエイ担当者は「来年上がるかもしれない消費税に対して、客にまず慣れてもらおうと。(増税時に内税だと)『ずいぶん値上げしたな』というイメージを持たれるのではないか」と話した。
1989年に導入された消費税をめぐっては、店によって、総額を示す内税方式と、税抜き価格を示す外税方式に表示方法が分かれていたが、2004年に、内税方式での総額表示が義務づけられた。
ところが今回、消費税率を引き上げる際には、外税方式の表示も認められることになり、小売店では、どちらにするかの判断が求められる。
かばん店の店主は「客にわかりやすいのは内税なので、そうした方がいいと思うんですけど。(店側としては)外税方式の方が楽です」と話した。
一方、消費者からは「できれば統一してもらうのが、消費者としてはありがたい」といった声が上がった。
2012年8月、当時の民主党・野田内閣のもとで成立した消費税増税を含む「社会保障と税の一体改革」関連法では、経済状況によっては、引き上げを停止することができる「景気条項」が設けられている。
その判断の材料とされるのが、8月に発表される2013年4月から6月までの経済成長率。
そうした中、日銀本店で、10日と11日の2日間にわたって行われた金融政策決定会合で、日銀・黒田総裁は「わが国の景気は、緩やかに回復しつつあるということに尽きる」と述べた。
国内の景気判断について、これまでの「持ち直している」という表現から、「緩やかに回復しつつある」という表現に上方修正した。
「回復」という表現が盛り込まれたのは、2年半ぶりのことになる。
これについて、第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミストは、「このタイミングで日銀が景気の上方修正ということは、4月から6月の経済成長率も高めの数字が出そうだと判断できる。増税の可能性がやや高まったということになるでしょう」と述べた。
2014年4月から消費税率が予定通り引き上げられる可能性が高まる中で行われる、今回の参議院選挙。
東京・品川区の商店街で、消費税増税の是非を投票の判断にするか聞いてみると、すると答えた人は、「大きいじゃない、3%アップするの、大きい買い物するときは」、「日用品とかの税金が増えると、つらい感じはします」などと話した。
投票の判断にしないと答えた人は、「もう(消費増税は)決まったようなものでしょう」と話した。
50人に聞いたところ、「投票の判断にする」と答えた人は34人。
「しない」と答えた16人を大きく上回った。
各政党は、今回の参議院選挙で、消費税について、どのように訴えているのか。
フジテレビの石原正人政治部長は「安倍首相の最終的な決断は、秋ごろになるが、安倍首相の側近は、『今のまま経済状況が良ければ、引き上げる方針だ』と語っている。自民・公明・民主の3党は、低所得者対策などでは、違いがあるものの、社会保障費に充てるためという目的で、消費税を8%、そして10%に上げる方針では一致している。また、維新も消費税の増税には賛成だが、その税率は11%。そして目的も、社会保障費ではなく、地方の財源にするためと、違いが見える。一方、みんな・生活・みどりの3党は凍結。共産党は中止。社民党は撤回と言葉は違うが、こちらの5党は、消費税の増税には反対の立場を鮮明にしています」と述べた。

消費税だが、日銀は、国内の景気については穏やかに回復しつつあるとした。
さらに、参議院選挙後の8月中旬には、GDP(国内総生産)が発表されることになっている。
そうしたものをふまえて、安倍首相が、本当に消費税を上げることへ判断できるのかどうか。
9月20日には、G20(20カ国財務相中央銀行総裁会議)という場が待っており、これは、国内だけではなく、世界中が注視している判断ということがいえる。