地球へ途中下車第72回

素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録


前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20130915

今日もイースター島に滞在です。

2012年01月23日(月) 14時09分41秒
チリ

【謎だらけ島の、最大の謎、モアイ像】
…倒れたモアイ像です。

島のあちこちにころがっています。大きな石だと思ってよく見ると風化したモアイ像だったりします。
…モアイは400年頃からイースター島でつくられるようになったのですが、1700年頃からはじまった島内の部族同士の戦い=モアイ倒し戦争によって多くが倒されました。彼らはモアイの目から不思議な霊力がでると信じていたので、人為的に倒されたものは全部、うつぶせになっています。

15体のモアイが一直線に並ぶアフ・トンガリキ。

アフトンガリキはモアイ倒し戦争とチリ沖津波の影響で壊滅的状況になり、このままでは風化の一途をたどってしまうところ、なんと日本のクレーンの企業が全面的に支援して建て直したそうです。

15体のモアイが見つめる先にあるのはボルケーノ。向こう側がモアイ製造工場です。この一体は大阪で展示されていたものがイースター島に戻ってきました。

ラノララク
モアイになる石の切り出し・製造工場。
たくさんのモアイがにょきにょきと生えて(?)います。

モアイはここで製造されて、島の各地に運ばれていったようです。運び出されて晴れ舞台にたつことなく、そのまま胸のあたりまで埋もれてしまっているもの、倒れたもの、いろいろです。397体が確認されています。

目を合わせてみました。

海岸にある思議な丸い石、テ・ピトクラ。
霊力のある石で、イースター島に最初にやってきたホツアツマ王がカヌーで持ってきた、という伝説もあるが、単に波に洗われて丸くなっただけだ、という説もある。触れるとパワーが得られるといいます。

島の北端にはこんなきれいなビーチもあります。
いや〜ほんとうにいい島です!

さて、そもそもモアイはなぜつくられたのでしょうか?
…宇宙人へのメッセージだとか、いろんな説がありましたが、いまのところ先祖崇拝と宗教上の一種の神様の像だったと考えられています。ほとんどのモアイは部族が暮らす村を見守る場所に海を背にして建てられています。
でもまだよくわかっていないことも多いそうです。そもそもどこから人々はこの島にやって来たのか、とか…。ポリネシアの文化に共通性があるので、ハワイやタヒチと祖先が同じなのでは、と言われているそうですが…
ま、謎は謎のままにおいておいたほうがいいのかもしれません!

明日は鳥人伝説や食人伝説の残る洞窟など島の南側を訪れます。

2012年01月24日(火) 15時08分13秒
チリ
【勝ったら王様、負けたら喰われる、鳥人レース】
島でしょっちゅう見かけるこのマーク…

頭が鳥で身体が人間…鳥人(とりじん?)のシンボルなんです。
今日、観光したのはこの鳥人にまつわる伝説の場所で…

イースター島の観光は、島西北、一周、南部の主に3つのパートに分かれており
それで最低でも3日(4泊)は必要、と言われています。
今日は南部のラノカウの火山湖、オロンゴ儀式村へ自力で歩いて行きました…

まちの中心、ハンガロアを出たのは10時半頃…

まず海岸沿いの食人洞窟アナカイタンガタへ。
えっつ! 食人? そうなんです。ここはかつて儀式として人を食べていた、という伝説が残っている洞窟なんです。

天井には鳥の絵が残っています…

洞窟からさらに山のなかを歩くこと約1時間半…

丘を登りきるといきなりラナカウ火山の火口に出ます。
もうびっくりする光景です。…手塚治虫はぜったいここを訪れていますね…

この火山湖の周りを頂上に沿って半周すると、島の最南端、オロンゴ儀式村に到達します。

オロンゴの鳥人儀式とは…


イースター島で部族間のモアイ倒し戦争が盛んになった17世紀ごろから始まったとされる儀式で最初はスポーツ的要素や成人儀式的な色合いであったらしいのですが、次第に部族同士の代理戦争というかオリンピック、たたかいの儀式に発展していったものだそうです。
…毎年8〜9月の春の到来にかけて、各部族の代表の泳ぎ手がこの岬にあつまり、海を泳いで一番遠くの島にある海鳥の卵を取りに行って持ち帰ってくることを競い合い…
勝者になった部族の長がその一年間、各部族を治める王として君臨した、といことです。


戦いの様子を観戦していた岬の突端。岩に鳥人の絵が刻まれています。
向こうに見えている島が泳いで海鳥の卵をとりに行った島です。
…そして王になった首長は儀式にのっとり、鳥人となり…負けた部族を食人していたのがさっきの洞窟なんだそうです…
勝ったらその部族が王で、負けたら食人される…
福男も笑い飯もびっくりの結末です…

それにしてもこのオロンゴ儀礼村あたりの眺望はすごかったです!
360度にかぎりなく近く周りが海で、遮るものがなく水平線が見えます。あらためてイースター島が絶海の孤島であることを実感します。

いやあ〜イースター島はモアイ像だけでなく、本当にかなり魅力にあふれた島です!
(物価は驚くほど高いですが)
もっと長く滞在したいところですが、4泊5日で、明日はもう出発です。


…日焼けもすごかったっす…










2012年01月25日(水) 11時05分16秒
チリ

イースター島、南半球では星座が逆?】
イースター島での5日間は本当に楽しかったです…


(ホステルからいつも見ていた景色)

南国の色とりどりの花が咲き乱れ、時間がゆっくりと流れ、サンチアゴでリュックが盗難に遭ったことを忘れさせてくれるぐらい、癒しのパワーがありました!


まず、治安が大変よいです。
島の人、みんな車に鍵をかけません。窓は開けっ放しで、鍵はどちらかというとダッシュボードに入れていたりします。
そうかもです…悪いことをして逃げようにも、島から出られるのは一日一便の飛行機しか手段がありません…。そして島の人はみな知り合いのようです…。
ハンガロア村から一歩外へ出ると、モアイ以外、ほとんど人が住んでいませんが(野生の馬とかはいる)(牛は放牧か?)

とぼとぼ歩いていると、誰かが拾ってくれ、車に乗せてくれたりします…。
おうちとかも開放的。隣の家の犬がいつも遊びに来ていたり…
(毎日、ヒヨコを連れて前の道を横断する雌鶏。急いで渡るところがかわいい…。雄鶏は毎朝早くから、かなりうるさい)


星空が、砂漠に次いで、きれいでした。
…ところで南半球では星座が逆に見えるのですね。
これまでにもオーストラリアやニューカレドニアニュージーランドとか南半球には行ったことはあったのですが、星はよく見えなかったのか、気がつかなかったのですが、イースター島に来て、あまりにすごい星空を見て、あらためて

「あれ? オリオン座が逆だ」
(三ツ星の右下に星雲があるのが、左上にあります)

…と気がつきました…

天の川に星が集中しているように見えます。
そして天の川、乳成分が濃い…。白い部分が濃ゆいです…。


ほとんどホステルで自炊し、毎晩、ワインを飲んで過ごしました…(パスタ率、タジン率、高し…)



モアイ像にうしろ髪をひかれながら、イースター島をあとにし、サンチアゴに戻りました。
明日はペルーのリマです!