地球へ途中下車第92回
素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録
前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20131110
今日は、メキシコの遺跡をめぐります。
○○
2012年04月05日(木) 08時56分41秒
メキシコ
【マヤ王は宇宙人だった説!? in パレンケ遺跡】
コスメル島からプラヤ・デル・カルメンにもどり…
…もはや2人の間では当たり前となった、深夜バス移動の当日でも、時間さえあれば海で泳ぐ習慣…暑いからそのほうが気持ちいいんだ!
プラヤデルカルメンの海の素敵なところは…
水平線をじっとじっと眺めていると…
1時間ごとに水平線の向こうから船がやってくるところです!
最初、ちっこい船がだんだん大きくなって、すぐそこの海岸に接岸します。
コスメル島へ行き来する船です(あの船に乗って行ってきたんです)が、船が濃い紺色、ブルー、グリーン、エメラルドグリーンの海を移動しながら大きくなる風景が一枚の絵のようで素敵で…
…そんな海の思い出を、サンゴと貝の写真に閉じ込めて…
カリブ海ともお別れ…
激サム・バス(エアコンききすぎ!)との深夜対決、13時間!
遺跡のまち、パレンケに着きました!
…明るくなるまでバスターミナルで待機、2件目で宿泊するホテルを決めると…さっそく遺跡へ行ってまいりました!
パレンケ遺跡は7世紀期頃のマヤを代表する遺跡。
碑文の神殿の地下から発見されたパカル王の石棺の蓋に…宇宙船を操作している宇宙飛行士のような模様があることで 有名なんです。それでマヤの王は宇宙人だったのでは?という俗説があるんですね! 天文学の知識にも長けていたし…
この石棺はオリジナルはメキシコシティの国立人類学博物館に保管され、レプリカがこのパレンケの遺跡博物館にあるそうです。
どんなんだろう…と、ワクワク…
チェチェンがかなり観光地化されていたのに比べて、ここはほんとうに森のなかです。探検隊のきぶんいっぱいです…暑いですが…
頭骸骨の神殿
(注;パレンケは熱帯地方で蚊が多く、マラリア要注意なので、長ズボン、袖ありシャツ、虫除けスプレー持参で行きました)。
ウサギの頭骸骨ならしい。こんなんなん?
くだんの碑文の神殿(ここは立ち入り禁止エリア)
王の住まいだったと言われている宮殿
宮殿のなかの壁画
博物館へは遺跡の裏からジャングルを歩くこと15分…
ジャングルのなかにまだまだ崩れたまま放置された遺跡がいくらでもあります…
博物館に到着です!
墳墓から出土したパルカ王のヒスイの仮面
桂ざこばに少し似てる…
これはこれで、すごくSFチックで、ドキドキする光景なんですけど…
…でも、これでは、肝心の蓋の模様が見えないじゃないですか!
いっぱいいっぱいがんばってもこれ。
絵が見えない…
仕方がないのでお土産もの屋さんの石版に登場していただきましょう…。
どうでしょうか?
やっぱり宇宙船と宇宙飛行士?
それとも森羅万象、生命の木をつかさどる全能の王の姿?
ま、謎は謎のままにしておくほうがロマンがあっておもしろいかもしれません…
本物との対面は、メキシコシティの人類学博物館までおあずけだっ!
マヤ遺跡のまち、パレンケにやってきました!
◎
◎
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2012年04月06日(金) 10時49分03秒
メキシコ
【桂ざこば説に一票】
…
マヤ、パレンケの王様、パカル王のヒスイの仮面です…
夫と妻的には、マヤ王「宇宙人」説より、断然、「桂ざこば」説に一票、投じたい、と思います…
…パレンケ遺跡へはセントロ(町)から乗り合いのミニバス(10ペソ=70円)で約15分。
国立公園の入園に1人26ペソ、遺跡入園に57ペソ必要です…
(これには博物館の入場料も含まれているので、博物館もぜひ見にいきましょう!)
…ところでこのパレンケ遺跡にアクセスするパレンケのまち、ひとことで言って、
暑いです。
内陸部に位置しているせいか、熱帯的な、異常な暑さです。
インドなみです。
しかもまちなかには「クーラー」という概念がないらしく、したがって扇風機が送り出す熱風熱波のもとでの食事となります。
……
カンクン、コスメル島、そしてキューバが海辺で風があってさわやかだったのに対し、かなりキツイです。
そしてカンクンではいつでも、どこでも、「暑ければ海に行って泳げばいい」という法則があり、ホテルゾーンに泊まっていようが、いよまいが、海は誰のものでもなーい! ので、常に下に水着を着用し、毎日のごとく泳ぎに行っていましたが、ここには当然、
海がない…
ホテルで水シャワーを浴びるしか逃げ道がありません。
;;;(´_`。);;;
…そしてそのホテルは、エアコンつき一部屋400ペソ(約2800円)か、エアコンなしファンつき300ペソ(約2100円)かの選択でケチって、エアコンなしにしてしまったため(激サムバスで到着したときは朝だったため、比較的涼しく、判断がにぶった…ような気がする)…
あづい…
夜、とうぜん窓を開けて、汗かいて寝てたら、いっぱい蚊にくわれました…
( ̄Д ̄;;
遺跡ではマラリアが怖い、と暑いのに長ズボンはいて、虫よけスプレーして気をつけてたのに、寝るときはまったく無防備!
…これではまるで、頭かくして尻かくさず…
ハラを隠して、ムネ隠さず…
(中高年になると恥ずかしい場所が変わってくるらしい)
ではないのか…
こんなんでいいのか? 中高年の危機管理…
…ところで、暑いこと以外、これといった見どころのないパレンケのまちですが、そのなかでもみつけた数少ない優良なお店情報。
まずはレストラン。
2階にあり、ファミレスふう、南国ムード満点で、一見お高そうですが、
4種類から選べるMENUには
セルベッジャ(ビール)1本に、
野菜たっぷりスープ、
メインディッシュプレート、
コーヒーか紅茶
それにお決まりのトルティーヤとタコスとサルサ
…これだけついて
74ペソ(500円ぐらい)。
メキシコ物価からすれば、飛びぬけて安い!というわけではありませんが、店の雰囲気、サービス、お味ともに合格点で、総合的に優良店でした!
もう一軒。これはオススメ衣料品店。
どうしても暑い国のお安い衣料品やさんは
なぜか化繊の(こんなん着たら暑いやろ、と思う)服が多いのですが…、ここはalgodon(コットン)がメインで、縫製もしっかりしている。綿のTシャツが39ペソ(280円ぐらい)、男女ともデザインも豊富。
タンクトップや夫の水着、Tシャツなどを数点、買いました。
機会があれば覗いてください!
どちらも遺跡行きのミニバス乗り場近くです。
今夜はまた、激サムバスで、オアハカへ移動します!
オアハカの次がメキシコシティです。
◎◎
2012年04月07日(土) 09時25分00秒
メキシコ
【オアハカ涼しく、モンテアルバン遺跡も雄大】
…2人を乗せたバスは朝の9時頃、オアハカのバスターミナルに到着。
オアハカ!涼しい!気持ちいい!
いつものようにターミナルで体制を整え、近くの朝ごはん屋で朝ごはんを食べ…、
セントロ(まちの中心)へ行くバスをみつけて適当な場所で降りました。
1件目に訪ねたユースホステルは、ドミ(10人部屋)で1人160ペソ、2人で320…。ドミなのに高い…。
2件目に見に行ったホステルが2ベッドルームで一泊200ペソ(1400円)。トイレ、シャワーは共同だけど…そのかわり共同キッチンつき。ここに決めました。
オアハカにも世界遺産のマヤ遺跡があります。
中央アメリカ最古の遺跡、モンテ・アルバンです!
夫と妻、今回の旅行ですっかり、遺跡、史跡とか、博物館が好きになってしまいました。やっぱり人の営みって昔も今も興味があるし、産業革命以前までは本当に人類の歴史の歩みって1000年、2000年単位だったのだなあとつくづく思います。
マヤの遺跡はチェンチェン、パレンケに次いで3つめですが、モンテ・アルバンは密林や森のなかではなく、山の頂上を開いた広大な敷地に広がっています。
ここが考古学的に非常に価値が高いのはピラミッドに残る「踊る人々のレリーフ」の存在なんです…
一見、コミカルに楽しそうに踊っているように見えますが…
…実は彼らは捉えられて拷問にかけられたり、惨殺された捕虜の姿なんです。
みな目を閉じて口を開けています…口からなんか出てたり…
えっ、ってことはお腹の模様は…怖っ!
う〜ん。そういうのをピラミッドの神殿に飾っておくのが強大な権力、軍事力の誇示、象徴だったということなんですね…。
さて、セントロに戻ってきて、市場でオアハカ名物のモーレ料理に挑戦!
この黒いソース、モーレネグロっていうんですが、チョコレートと木の実、スパイスでできているんです!
チョコレートソースの料理…はじめてです!
ん? でも、でも、このソースの味、どこか赤味噌に共通するものがある!
だってほら売ってるところも…
味噌っぽい…
そしてチョコレータのほうは…
(これ、すごくおいしくて気に入っているんですが!)
んんん〜〜カカオのつぶつぶがのこっていて…雑味がなくて…
ん? でも奥のほうのどこかにちょっと味噌系、まめ系の味がする…。
考えたらカカオも、カカオ豆を挽いたものだしね…
それにしてもチョコにチーズにサボテンのお酒!
オアハカの名物って、好きなもんばっかじゃないですか!
グラモス(グラム)増加注意…
◎◎
2012年04月09日(月) 10時07分09秒メキシコ
【「沸騰する水」という名前の景勝地】
今日はまず、オアハカから約90キロ…グランドキャニオンのような景観のイエルベ・エル・アグア(沸騰する水という意味)景勝地に行き…
それからミトラ遺跡を見て…
アメリカ大陸最大の木、トゥーレの木を見に…
うそ!! 一日でそんなにたくさん、回れるはずがない!
…そうなんです…
実は昨日、モンテアルバンに行ったとき、遺跡で知り合ったのが、ホリデーでオアハカに自家用車で旅に来ておられたメキシコシティ在住の日系3世・4世のご家族で、我々が個人旅行でメキシコに来ていることを知り、イエルベ・エル・アグアに行く予定をしていると言うと、「明日、車で一緒にイエルベ・エル・アグアに行きましょう」、と誘っていただいたのです。…あつかましくも家族旅行に同乗させていただいたのでした!
イエルベ・エル・アグアです。
石灰を含む水が長い年月をかけて作り出した景観なので、トルコのパムッカレやクロアチアのプリトビッツエと同じですね。
上から見るとこんなかんじ
天然のプールもあります。
なぜ「沸騰する水」という名前なのかとい
山頂で水が湧き出しているのです…
もちろん熱くはないのですが、まるで沸騰しているように見えるのです…
……危ないです
危険なので絶対にまねをしないでください…
っていうか怖いのでやめてください…
石灰を含む水が少しづつ滴り落ちて…
…下から見るとこうなっています。
真下に行くとときどき上から水が落ちてきて、冷たいです…
…次に訪れたミトラ遺跡は、古代サポテコ人がモンテアルバンを放棄したあと1世紀ごろに作った宗教の中心地です。
緻密なモザイクで飾られています。空、大地、ヘビなどをあらわす全部で14種類の模様があるそうで、高いデザイン力と技術力がうかがえます。
…最後に訪れたのが、アメリカ大陸最大の木、エルトゥーレ。樹齢2000年、高さ40m、幹の周りは60メートルに達します。
余裕で木のなかに家が一軒ぐらい建ちそうです。
これは…もう信仰の対象です。どう考えても神々しいです。幹には触れられませんが枝先に触ることができます。生きています。イトスギの一種だそうです。
…Tさん一家に本当にお世話になった今日の遠出。朝9時にオアハカを出て、戻ってきたのは夜7時。連絡先を交換し合い、我々がメキシコシティに着いたらもう一度連絡することを約束して別れました。
…Tさんご夫婦は共におじいさん、おばあさんの代がメキシコに移住してこられました。メキシコで生まれた2世であるご両親の世代はまったく日本語を話されないそうです。だけど、3世のTさんご夫婦は、自分たちはメキシコ生まれのメキシコ国民であるけれど、人種的には純粋の日本人であること、そしておそらく日本人であることに誇りを持って、日本語を学ばれ、家でもほとんど、ご飯とお味噌汁の和食の食生活をしておられるそうです。
…それで我々のような旅行者に多分親切にしてくださるのだと思います。15歳。13歳の息子さんたちはまだ日本語はできないけど、いずれスペイン語と英語、日本語を話せるように教育したい、とおっしゃっていました。
南米でも日系人のみなさんに何人かお会いしました。
…私たちは普段、日本人であること、国と民族に何の違和感も感じていませんが旅をしていると、、国籍とは何か、民族とは、人種としてのアイデンティティとは何か、時々考えさせられることがあります。
そして海外で暮らす日系の人々のほうが、ずっと強く日本を意識し、「日本人らしさ」を保持しておられるようにも感じます。
…海外で暮らす日系の人々に、これからも「母なる国」として誇りに思ってもらえるような日本であり続けられるように…
今日は本当にありがとうございました!