地球へ途中下車第96回

素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録

前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20131124

今日はニュオリンズです。
○○
2012年04月22日(日) 23時10分12秒
アメリ
ニューオリンズで…宿がない】
  あたしが着いたのはニューオリンズ
  朝日楼という名の女郎屋だった
 
  汽車に乗って また汽車に乗って…
  貧しいあたしに変わりはないが

         『朝日のあたる家』by浅川マキ

淺川マキというアーティストはジャズを和製でやるとどうなるか? ジャズを単に日本語に翻訳するだけでなく、日本語の感性でをやるとどうなるか?という試みをした人で…その結果は限りなく、けっこう演歌に近いところになった、という独自のジャンルを開いた人です…

…というわけで、メンフィスのまちをまだ暗いうちに出て

アメリカが誇る鉄道アムトラックに乗りこみました。
メンフィス─ニューオリンズ間大人一人68ドルでした。









車内には展望車輌、食堂車などがあります…

ミシシッピ川沿いに南下…ブルースのふるさとメンフィスから、今度はジャズ発祥の地、ニューオリンズへやってきました。

まちのあちこちでストリートパフォーマンスで音楽をやっていて、歓迎してくれるのはいいのですが…
……

宿がない…

夫と妻、アジアからインド、ヨーロッパ、南米、中南米と、宿捜しをしながら旅行してきました。
おおむね、アジアでは予約なし、飛び込みのほうがむしろ現地で実際に部屋を確認することができるし、値切り交渉もできるので飛び込みでオッケー。
それがヨーロッパに入って、週末など、ない時は本当になくて、ないときは値段がつりあがることがわかったので予約がゼッタイ必要、になって…
南米に来て、また予約なしでもオッケーで、のんきになって…
アメリカに入ったとき、マイアミで、一泊目は夜到着だったので、幹線道路ぞいのモーテルを一泊だけ予約して行ったけど、その3軒ほどとなりのホテルのほうがコスパがよく、引っ越したりしたので、宿はある…?
…と思ったのですが

結論から言うと、観光地、特に週末はホテルはない、予約がないとダメなようです。

そして売り手市場になると普段の倍〜3倍に値段があがるようです!

アムトラックの駅を降ると、どこもそうですが、駅の周辺にはなにもありませんでした…。(昔の映画なんかのイメージにある、駅前の小さなホテルで、一階の奥においしいバーガーを食べさす小さなレストランが一軒あって…というような時代おくれのホテルは、軒並みつぶれています…)

広大なまちをイーグルクリークをひいて歩きまわり…
3、4軒まわって、「sold out!」と言われ、または空いているのはクイーンルームが400ドルと言われ…
歩き方に掲載されているホテルを片っ端から電話して「sold out!」と言われ…
まちなかでインフォメーションを見つけてそこで親切なブラックピープルの職員があちこち電話で探してくれて、ようやく、「ベストウエスタンホテル」(名前はよく知っているが泊まることはないだろうと思っていた…)に平日の倍料金249ドルでもぐりこみました…(夫と妻のアメリカの宿泊予算の4日ぶんです…)

今日は日曜日でもうあちこちのホテルが空いていると思うので、安いところに引越しします…

【教訓】アメリカはホテルの予約がゼッタイ必要、
    それも値段が変動するので予定をたてて早めに
    週末は有名観光地には近づかない

バーボン通りの喧騒











2012年04月23日(月) 23時34分14秒
アメリ
ミシシッピ川クルーズ in ニューオリンズ
…宿、お向かいの80ドルのところに移りました…
州によって?も違うようなのですが、ホテルのランクによっても違うようなのですが、
宿泊税が16%とか、あと何とか税、何とか税とかがついて最初に考えていた以上、想像以上にお高くなることがわかってきました…ブルーです…

…さて、ハーバー近くのフレンチマーケットです。おみやげからスパイス、ジャム、果物、海鮮など楽しいマーケットです。お昼はスタンドバーがにぎわいます。

ミシシッピ川は川とは言っても、なんだか魚港のようなふんいきで…。

人だかりができていたシーフードレストランで、オイスターとエビを食べました。

…注文してお金を払ったらオーダー票に自分の名前を書き、大きな声で名前が呼ばれたら取りにいきます。…昔、妻が学生だった頃、京都にあった食堂のようです…

やっぱり川なのでザリガニも名物…

そのあと、ニューオリンズ観光の定番、ミシシッピ川を下るクルーズ船に乗りました!一人20ドルです。

日差しは強いけど、風が気持ちいいです。
かつてはミシシッピ川を行くこんな外輪船が物流のメインで、人や物を運んでいたのでしょうか。この船に乗って、みな夢と希望に胸を膨らませてニューオリンズへやって来たのでしょうか?

キーウエストで見かけたあの豪華客船も停泊していました…。

2時に出航し、途中で、川岸にある南北戦場のときの戦場跡に50分ほど接岸し、船を下りて見学。そのあとユーターンして、4時半にもどってきました。

川岸に戻って、土産物やをのぞきながらぶらぶら歩き…そろそろどこかでお茶したいね…

ニューオリンズといえば…

そう、カフェ・デュモンドです!

日本でもおなじみの緑と白のストライプは同じですね。
本家はアメリカでもものすごい人気店で、列をつくって並んで待ちます…。
もちろんさっくり軽く揚げたベニエとカフェオレが定番。

カフェオレ2杯とベニエ3個一皿(日本のとかたちがちょっと違います。揚げモチみたい…)で、5ドル30セント。

うん、おいしいです。…けど粉砂糖、いくらなんでも多すぎです…風で散って店中、粉砂糖だらけでした。こういうところ、アメリカっぽいです…

ニューオリンズの中心、フレンチクオーターエリアのなかに、スーパーマーケットが一軒だけあります。ピーター通りとロイヤル通りの角です。
そのまえで路上ライブをやっていました。正式なライブハウスのより、こういう路上ライブがなんとなく、ニューオリンズらしくて楽しい…そして上手い…

ニューオリンズ・フレンチクオーターの町は、スペイン統治時代に建てられた鉄レースで飾られたバルコニーのある2階建ての建物が特徴なんですが…、
その二階のバルコニーからみんなどうも気にいった彼女(彼氏?)にネックレスをほおりなげています。投げられた人はキャッチしたら、首にぶらさげています。道に落ちているネックレスも多々あります。なんかの風習の名残、ここに特有の遊び方なんでしょうか?

この週末は海軍のバトルシップが寄港していて、まちには海兵隊の人たちがたくさんあふれていました。こあちこちで軍艦を見ることと並んで、こういう風景もアメリカっぽいです。

アメリカっぽい、といえば…
これ、まちのあちこちにある、水栓ですが…
ぜったいスヌーピーに似てますよね!
…というかスヌーピーがときどきたしかこんな帽子をかぶっていましたね!
……

そしてついでに「アメリカっぽい犬」つながりで…
マイアミのモーテルで見かけた犬ですが、間違いなくアメリカンな犬です!







2012年04月24日(火) 14時41分07秒
アメリ
アメリカの味と日本の味…】


ニューオリンズセントルイス大聖堂です。

…ジャクソン広場の正面にあります。
現存する大聖堂のなかではアメリカで一番古いのだそうです。

表ではジャズのストリートライブをやっているのですが…

…一歩なかに入ると驚くほど静かで、かすかに賛美歌が聞こえてきます。
表の喧騒とうってかわった静けさに荘厳な雰囲気を感じます。

…今日のお昼はスーパーでラップサンドを買って、ミシシッピ川のほとりのベンチで食べました!

お天気がよく、川風が気持ちよくて、最高です!

かもめが飛んでいきます。昨日、乗った船が出港していきます。

…ところで、2人ともハワイ・グアムを除き、アメリカ本土は18〜20年ぶりなのですが、アメリカの食べ物、味付けって、この間、変わったのでしょうか?
…なんか美味しくなったような気がするんですが…

バカみたいに量が多くて、どかん!と盛ってあるものもあまり見かけないし…
???何の味もしなくて、テーブルの上の塩・コショウやケチャップで各自が味付けをするのがアメリカ流、っていう料理にもあまり遭遇しなくて、わりと普通においしい…

…極端に量が多いものがなくなったのは肥満や成人病が社会問題化しているからでしょうか?
…そして、この間の20年間、アメリカも日本も変化して、日本人である我々の味覚も少しづつ変化してきて、アメリカと日本が双子のように非常に近くなっているのかもしれません…。

世界をあちこち旅していて、一番、食べることに困らずストレスのない国、日本でふだん普通に食べている味付けやスタイルとかわりない物が食べられる国は実はアメリカでした…

…とういか、自分たちの味覚が、ケチャップとマスタードや甘酸っぱいピクルス、バーベキュー味など、知らず知らずの間に相当アメリカナイズされていることに(ファーストフードの影響大)…ちょっとひくほど、驚いています…

ホテルの朝ごはんであちこちでみかけたワッフルメーカー。そのうち日本にも入ってくると思います。それとも日本にももうあるかも?

…ところでニューオリンズは音楽だけでなくアートの視点からも、おもしろい見ごたえのあるまちです。アートに興味のある方はぜひ、訪ねてみてください!
看板も…

おうちも…


花で飾られていたり…

…それでは『欲望という名の電車』…
テネシーイリアムズ作、ニューオリンズが舞台で主人公ば市電から降りてくるところから物語はじまる…)

…ではなく、グレイハウンドに乗って、マイアミへ戻ります!





2012年04月25日(水) 07時13分24秒
アメリ
【本も世界を旅する】
現在、移動中のグレイハウンドの車内からです。
夜、ニューオリンズを出て、翌日の夜にマイアミに到着します。今回は乗り換え回数1回でした。
…エクスプレスという車両にあたると、各座席に電源があり、車内にwifiが飛んでおり、インターネットができるため、かなり助かります…

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…でもいくらパソコンが便利! 必需品! と言っても、長旅のお供、といえばやっぱり本…本に勝るものはありません。 

移動中の車内で、ターミナルの待ち時間に、眠れない夜、ビーチサイドで、…旅の途中で本を読む楽しみは退屈しのぎ以上に、旅そのものを豊かにしてくれるいろどりがあります。

現在、夫と妻は内田康雄の『氷雪の殺人』と、群ようこの『かもめ食堂』の2冊を所持しています(どっちも読んでしまいましたが大事に持っている…)

日本を出てくるとき、荷物は極力少なくするため、選びに選んで一冊だけ、イーグルクリークの底に忍ばせてきました。
自分のなかで「何度読んでも飽きない、何度も繰り返し読める本は何か?」…コンクールを開催し、みごと一位の座に輝いた珠玉の一冊です。

妻はアガサクリスティーの『春にして君を離れ』という本を世界一周に連れてくることに決めました。…誰も死なない、登場人物は主人公ほぼ一人、回想のなかでのみ物語が進行し、やがて過去の真実が明らかになる、というお話です。これまでの人生ですでに10回ぐらい読んでいますが、落語を聴くようなものでしょうか、何度読んでもその都度、おもしろいです。

…でもさすがにアジアで1回とヨーロッパで2回読んだら、しばらく読まなくなりました。

…そんなとき、アルゼンチンの日本人宿で出会ったのが、本の交換システムでした。宿の本棚の本のなかから好きな本を一冊、自分の持っている本と交換できるというものです。
その後、一冊買いたし、チリ、メキシコシティと、それぞれで交換・交換を重ねてきました。本を選ぶときは真剣です。かつて本屋でも図書館でもこんなに真剣に吟味したことはない! というぐらい毎回、真剣に選びました。
基準はもちろん中身がおもしろいこと。長もちすること。繰り返し読めそうなこと。次に交換しやすそうな価値のある本であること…

世界旅行のバイブル、世界旅に出る旅人がかなりな確率で読んであこがれる伝説の本、沢木耕太郎の『深夜特急』のなかにも、出会った日本人の旅人同士が本を交換しあう話がでてきます。次々と旅人の手に渡り、移動し、本も旅をしている…というものです。

アメリカでもどこかで交換ができるといいのですが…。

誰か私たちと本を交換してください!