岩美、山海の幸「八宝」売り出す/鳥取

業界紙トラベルニュースより
鳥取県岩美町が「いわみ八宝(はっぽう)」を売り出している。山海の幸に恵まれた町内の8つの特産品を前面に、町内の旅館や飲食店がメニューを開発。3年前に世界認定された山陰海岸ジオパークの魅力を付加するジオグルメとしてもアピールする。

いわみ八宝は(1)松葉ガニ(11―3月)(2)白イカ(6―11月)(3)もさエビ(3―5月)(4)赤がれい(9―5月)(5)岩がき・夏輝(6―8月中旬)(6)ばばちゃん(12―3月)(7)マコモタケ(10―11月)(8)新雪梨(11―1月)の8つ。カッコ内は旬の時期で、町商工会が音頭をとって町内の旅館や飲食店に四季折々のメニュー開発を依頼した。

岩美町が日本一漁獲量の多い松葉ガニや岩ガキ、白イカなどは全国的に知名度があるが、深海に生息するもさエビやばばちゃんはアシが早く岩美町だからこそ味わえる特産。中華料理の高級食材として使われるマコモタケ、在来種を交配した新種の新雪梨は比較的新しい岩美の名物だ。すでに春、秋、冬のメニューが発表され、町内約30の事業所で提供されている。
10月に行われた秋メニューの試食会「秋の宴」には13事業所が新作を披露。町民のほか招待した京阪神の旅行会社関係者ら約70人に岩美町の"宝"を振る舞った。

岩井温泉の明石家は赤ガレイの千草蒸し、岩井屋はもさエビ豆腐、花屋旅館はもさエビの味噌汁を試食に提供。菓子店のジオシュークリーム、新雪梨のシャルロットなども人気を集めていた。

会場に並んだ「いわみ八宝」
試食会であいさつした岩美町商工会の坂本秀喜会長は「鳥取豊岡宮津自動車道が順次開通していく中、通過点にならないよう元気なまちづくりに取り組んでいます。産業は少ないですが、資源には恵まれています。4年間の活動を通じて『いわみ八宝』を開発しました。当初14の事業所でスタートし、今や30を超える事業所が参画しています。来てもらったお客さんに喜んでもらえるようになりつつあります」。

岩美町の榎本武利町長は「素晴らしいメニューができつつあり、一丸となって岩美町をアピールしていきたい」と話していた。

八宝の開発にあたった商工会企画部長の山本潤一さんは「島根県宍道湖七珍をヒントに、末広がりで一つ多い八宝にしました。昔から地元で親しまれてきた食材を奇をてらわず、お客さんに提供するストーリーをつくっていくよう進めてきました。今後、いわみ八宝を浸透させるため活動していきたい」。