13年の旅行業倒産件数は29.7%増の48件−宿泊業は5.3%増の118件

WEB版業界紙2014年1月15日(水)より
12 東京商工リサーチTSR)によると、2013年1月から12月までの旅行業倒産件数は前年比29.7%増の48件(前年:37件)となり、2年ぶりに前年を上回る結果となった。東日本大震災関連の倒産は12件だった。

 負債総額は15.8%増の45億4500万円(前年:39億2300万円)。4月に岡山県の日東トラベルが負債5億円で破産したほか、6月に沖縄のサザンツーリスト(負債4億2000万円)、7月にビッグツアー(負債1億8000万円)とパーフェクトアイズ(負債4億8000万円)が破産。9月にはトラベル世界(負債2億9800万円)が破産開始決定を受けた。なお、1社あたりの平均負債総額は9468万円だった。

 TSRによると、2013年の旅行業界の景気は回復基調にあるが、近距離デスティネーションの不調により中小の海外旅行を主力とする旅行業者の収益が悪化し、倒産するケースが目立った。また、国内旅行中心とした旅行業者では、景気回復の恩恵をまだ受けていない企業からの倒産があったという。

 倒産件数48件のうち、倒産の原因が販売不振、売掛金回収困難などの「不況型倒産」は41件で、全体の85.4%を占めた。中小企業金融円滑化法が13年3月に終了した後も政府を中心とする資金繰り支援は継続しており、企業の資金調達環境は大きく変わってはいないものの、それでも将来の事業計画が描けない企業の経営断念が見られるなど、13年は法的精算が増加した1年だったという。

 なお、12月単月の倒産件数は昨年と同数の2件で、負債総額は2億900万円増の2億4400万円。東日本大震災関連は1件だった。12月は群馬県の共栄観光興業が負債総額1億5000万円で破産している。