地球へ途中下車第121回
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素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録
前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20140211
世界一周旅行は終わりましたが、『旅の実践編』などとして貴重な情報を届けていただきます。
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旅の思い出編
【深夜バス寝過ごし・乗り過ごし事件】
2012年07月28日(土) 21時36分23秒
…それはアメリカで、ロスエンジェルスからヨセミテへ移動するときのことでした…
ヨセミテへは、LAとサンフランシスコからどちらからもグレイハウンドまたはアムトラックで「マーセド」という町まで行き、そこから出発している「YARTS」というバスに乗り換え、2時間40分(往復一人25ドル)でヨセミテ国立公園に着きます…
当初の予定ではLAを夜中の1時に出て、朝6時にマーセドに着き、朝7時のYARTSバスに乗るはずでした。
でもLAのグレハンのターミナルってかなり町外れの治安のあまりよくない場所にあり、夜中になってから移動もなんだし、市バスがあるうち、まだ少し早いうちに行ってしまってバスターミナルの中で時間をつぶそう、と夜10時前にはターミナルに着いたのです。
…そしたらなんと一台早い、夜の10時発、というバスがあるではないですか…。マーセドに着くのは夜中の3時…。
…どうしよう?
どっちで時間、つぶすかやなあ…?
えーい、先にマセドまで行っちゃおうか?
…ということで急きょ、一台早いバスに乗ることにしました!
この頃、深夜バスに乗りなれてしまった2人はバスに乗って暗くなるとすぐに眠くなる、という習性を身につけており、バスに乗り込むとすぐに寝てしまいました。
zzz(@ ̄ρ ̄@)zzzz(@ ̄ρ ̄@)zzzz
運転手は荷物についているタッグで乗客の行先を確認しており、その駅で降りる乗客を起こしてくれるから安心です!
…夢うつつで時計が3時だったのを覚えてはいるのですが、どこかのバスターミナルに到着した気配がないので「遅れているのかな、そうか時差かな?」と思ってムシ。続行、寝る。
…4時になってどこかのバスターミナルに着いた気配がありました。
着いたかな、と思ってバスの外をのぞいてみると、運転手が我々の荷物を2つ、機体からおろしています。
あ、着いたんだな、と思い、
「マーセドですか?」
と聞くと
「…マーセドは1時間前に通過したよ! ここはその次のモデスト。マセドを通ったときはあんたら寝てたよ!」えっ、そんなバカな…!
そんな…だって、この駅、真っ暗で誰もいなくて何もない駅じゃん!(夜中は無人になり、鍵がかかってしまう駅のようだ)。こんな知らん駅に真夜中に降ろされても…いったいどうしたらいいの!!
「でも…なんで? どうして起こしてくれなかったの! 荷物のタグだってほら…」
…ってタグを見たら、
「modesto」…
…モデストって書いてある。
こりゃ、運転手は正しい。彼のミスじゃない…仕方ないわ…。
…カウンターで荷物のタグを作ってもらうとき急いで、「マーセド」って言ったつもりなのに「モデスト」って聞こえたのでしょうか? タグの表示を確認しなかった我々のミス…
「…あと2時間ほどしたらマセドに戻るバスが来るから、気の毒だけどここで待っときな」
「ハァ…」
…ってここ、何もないですけど。暗いですけど。座るイスもないし、風をよけるついたてもないですけど。
…でもまあ仕方ない。これ以上、ここでごねてもどうにもならないし、営業妨害になりそうだし、了解して、運転手はバスに戻り、2人を残して、走り去っていきました。
((((((ノ゚?゚)ノ ((((((ノ゚?゚)ノ
…とりあえず、風がよけられる寒くない場所をさがして、それからどうするか考えようか。5月とはいえ夜中は寒い。
と、暗闇のなか、目をこらすと、 おやー? 向こうに、見えるのはマクドナルドの「M」のマーク…
このときほど、マクドナルドの存在をありがたいと、思ったことはありませんでした!
行ってみると確かに中に人はいるけど、クローズ。ドアをノックして聞けば、6時オープンの準備をしている最中で店はまだやっていないとのこと。困っているのはわかったので、中に入れてあげたいけど…ちょっとボスに電話で聞いてみるから待ってて、と。
いいよ、いいよ。ここでも。ここなら軒先で風がよけられるし、漏れてくる灯りで明るいし、それに…Wifiの電波が漏れてる! ラッキー! 早速、夫がパソコンを立ち上げ、グレイハウンドのHPから時刻表を確認…。
4時50分にLA行きのバスがある!
これに乗ればひと駅、5時50分にマーセド着!
…さっきの誰もいない駅に戻ったのでした。
4時40分。すると闇のなかどこからともなくわいてくるように、2、3人が現れ…聞くと「バスを待っている」と。ホッ。よかった…
間もなく風のなか、一台のバスが…
「マーセドに行く?」と聞くと、「次の駅」。
今度は2人とも寝ないで一時間後を待ちました…
ところが朝5時50分にマーセドに着いてみたら、なんと、マーセドも無人駅なのでした!
おまけにモデストより、もっと田舎で、マクドなし!
…考えようによったら、ここに寝過さずに夜中の3時に降りて、野外で3時間過ごすより、次のモデストまで行って往復2時間で引き返してきたほうが結果的にはベストだったのです。
LAのカウンター、もしかして、そのことがわかってて、タグ、わざとモデスト行きにしたのか?
おまけに「YARTS」バスは、もう一台早い、始発6時発のバスがあって、それに乗れて、ヨセミテに1時間早く着けたのでした!
これって、ケガの功名ですか?
禍(わざわい)転じて福となす?
でも、あっぶない2人!の
ヒヤヒヤ深夜バス寝過し乗り過ごし事件でした!