桜島の噴火を見たか−鹿児島市を行く(1) ジオと産業革命遺産の旅

業界紙トラベルニュースより

2011年3月の九州新幹線の全線開業から3年。鹿児島市は新たな観光の魅力として世界遺産登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」群と、日本ジオパークに認定された桜島・錦江湾ジオパークのPRに力をいれている。昨年秋、鹿児島市が主催したメディアツアーに参加した。
桜島はすごい
 最初の目的地である「名勝 仙巌園」を目指し、錦江湾沿いを走る観光バスから桜島が噴火するのが見えた。
 「桜島が噴火していますね」。淡々と話すバスガイドと、一斉にカメラを取り出し、色めき立ち桜島側の席に移動する記者たち。
 桜島が噴火しているのは知っていたけど、こんなにりっぱな噴火だとは思いもしなかった。三原山で、浅間山で、白根山で、大涌谷で、阿蘇で、雲仙で火山が噴煙を上げるのを見たことはある。しかし、桜島で見たのは、まさに噴火だった。飽きずにずいぶん写真を撮った。

仙巌園から望む桜島
 やがてツアーが進むにつれ、バスガイドに限らず鹿児島市の人たちが桜島の噴火に見向きもしないことを理解できるようになった。桜島の噴火は5年ほどから数が飛躍的に増加し、2010−2013年は年間1千回を上回っている。今年に入ってからは1、2月と噴火は激減したが、3月には再び噴火の回数が増え始めている。
 街のあちらこちらで「克灰袋」と書かれた黄色のビニール袋を見かけた。なかに入っているのは地域の人が掃いて集めた桜島の火山灰だ。自分の方に火山灰が来ないことに期待しつつ、多くの市民は風向きを気にしながら暮らしている。
 2日間のツアー中、桜島が噴火する様子を何度も見た。なるほど、見慣れてくると、噴火に驚きはなくなった。それでも噴煙を上げる桜島をいろんな場所から撮り続けた。噴煙を上げる桜島はかっこよかった。