増税強行でわかったこと その②


大企業への輸出戻し税は全くの“輸出奨励金”だ!
 輸出戻し税の存在が、財界、大企業にとって消費税増税が痛くも痒くもないどころか、却って“還付金”が増えまさに歓迎❗のものであることを証明しています。
 今回の増税強行に際してのメディアも、増税前の駆け込み消費の扇動や物価高騰や駆け込み反動を危惧などの色々の角度からの報道はあっても、これに関するものはお目にかかったことがない❗


輸出産業に追い風 消費税アップで逆に儲かる「主要27社」
輸出戻し税」がキーワード/(C)日刊ゲンダイ
 4月1日からついに消費増税が実施される。庶民生活は苦しくなるばかりだが、さすがに兜町はたくましい。増税が追い風となりそうな銘柄を探し始めている。キーワードは「輸出戻し税」。税率が5%から8%に上がることで“儲かる企業”が続出するというのだ。
トヨタ自動車やホンダ、日産、ソニーあたりが物色されています。税率アップにより、企業が受け取る輸出戻し税は増えることになるので、黙っていても利益がカサ上げされます」(株式評論家の倉多慎之助氏)
 輸出品には消費税がかからないが、輸出企業は下請けなどから部品を仕入れる際に消費税を支払っている。
 たとえば「100円」の部品を仕入れると、消費税分を上乗せした「105円」を支払う。輸出戻し税とは、この5円分を国から還付してもらう仕組みだ。
■政権のベア実施要請とバーター取引
 この通りだったら、何も問題はないが、実態は大違いだという。
仕入れの際、下請けに消費税分を支払っている大企業などまずありません。だから戻し税は国の補助金と変わりなく、リベートみたいなものです」(元静岡大学教授の湖東京至氏)
 要するに輸出企業は増税分だけ得をする。湖東氏の試算によると、税率アップでトヨタの戻し税は1801億円から2882億円に増える。日産は906億円が1450億円、ソニーは635億円から1061億円になる。
「輸出額の大きい会社ほど、戻し税も多いといえます」(湖東京至氏)
 そこで12年度(13年3月期中心)の売上高や海外売上比率を参考にして、主な企業の輸出額を算出した。上位には自動車、電機、製鉄、精密など日本を代表する大企業がズラリと並んだ(別表参照)。「増税で儲ける企業一覧」といったところだ。
「ベアを実施した会社が目立ちます。安倍政権の要請で賃上げに踏み切ったのでしょうが、一方で輸出戻し税の恩恵を受ける。まるでバーター取引ですが、利益増は株価の上昇要因。狙い目ではあります」