平和は当たり前ではない 90歳山口淑子、倉本聰「歸國」見る

asahi.comより
写真:舞台「歸國」の観劇に訪れ、楽屋で倉本聰さんと話す山口淑子さん=東京都港区赤坂、越田省吾撮影

 国内各地で上演された脚本家・倉本聰さん(75)作・演出の舞台「歸國(きこく)」が先月27日、山口県の公演で今夏の日程を終えた。戦死した兵士の「英霊」が現代日本に戻ってくるという物語を、自分の生涯に重ねて見た人も少なくない。戦前の中国や旧満州国で「中国人女優、李香蘭(り・こうらん)」として人気を博した女優山口淑子(よしこ)さん(90)もその一人だ。
 「楽しみ、というのとはちょっと違うのよ。正直に言うと、少し怖いの」
 8月12日、東京都港区の赤坂ACTシアター。開演前、薄暗い観客席で、山口さんはつぶやいた。

 「あの戦争ではたくさんの友達が死んだから……。お芝居ではその人たちが戻ってくるっていうんでしょ?」
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201009040121.html