"お人よし"熊本人吉の旅の魅力 1

人吉・観光列車の旅 川・山・田が交わる

SL・いさぶろうしんぺい・田園シンフォニー
 JR人吉駅と併設するくま川鉄道人吉温泉駅は魅力ある観光列車の発着場で、沿線の愛称で呼ばれる川線、山線、田線が交わる場所だ。川線とは八代―人吉、山線とは人吉―吉松、田線とは人吉温泉―湯前各駅間のことを呼ぶ。
 熊本―人吉間で運行する「SL人吉」。客室は木を使ったクラシカルな造りで、ガラス張りの展望ラウンジを備える。SL関係の本を集めたライブラリー、SLグッズを揃えたミュージアムもある。

熊本―人吉間で運行する「SL人吉
 人吉―吉松間を1日2往復するのが「いさぶろう・しんぺい号」。肥薩線開通に尽力した偉人の名がつくこの列車は、レトロな内装で車両中央部に展望席を設置。ループ線スイッチバック日本三大車窓を一度に体験できる日本にここだけしかない鉄道遺産としての存在感を誇る。
 別府―人吉間を結ぶ「九州横断特急」は真っ赤な車両が印象的。阿蘇雄大な景色や球磨川の流れを楽しみ人吉へ。

「いさぶろう・しんぺい号」(右)と「九州横断特急」がそろい踏み
くま川鉄道の観光列車「田園シンフォニー」は四季をイメージしベージュ(春)、青(夏)、赤(秋)、白(白秋)、茶(冬)の車両で人吉温泉―湯前間を運行中だ。

四季をイメージした車体の「田園シンフォニー」
車内は人吉球磨産のヒノキを使った内装で小さなバーやカウンターを設置。田園協奏曲が車内に流れ、乗客を温かく包む。途中下車ができるおかどめ幸福駅は全国で唯一「幸福」と名がつく駅で、球磨川と川辺川の合流地で車窓見学できるのが特徴。各駅から地元の人たちが“おもてなし隊”として乗り込み、地元の物産品を販売するなど「ふれあい」に重きを置いた観光列車になっている。

おかどめ幸福駅のきっぷ