メルケル首相来日、示唆に富む演説!

 遠路はるばる来ていただき遠慮ない率直な発言をされ敬意を表します。朝日新聞がメディアパートナーとなり、9日の朝刊で別刷りの特集記事がありましたが、内容は期待ハズレ!
 歴史認識原発についての日独の真逆の状況への記述、分析はほとんどなし。メルケル首相と朝日のズレは大きい。

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http://goo.gl/xZ3xql)首相は、東京都内で朝日新聞主催の講演で、日本と中国や韓国との関係については外交的な儀礼から「アドバイスする立場にはない」と述べながらも、第2次世界大戦中に関係が悪化した周辺国との和解には、「過去と向き合うことが重要」との認識を示した。
 メルケル首相は、ナチスによるホロコーストユダヤ人大虐殺)にもかかわらず、ドイツは国際社会に受け入れてもらう幸運に恵まれたと指摘、「ドイツがきちんと過去と向き合った一方、連合国が過去を克服するドイツを見守ったからだ」と謙虚に強調した。
 また、長年、不倶戴天の敵だったドイツとフランスとの関係が和解し、そして友情に発展したのは、「両国民が歩み寄ろうとしたところから始まった」と語り、隣国との対話の重要性を訴えた。
 彼女はこの日、安倍首相との首脳会談後の共同記者会見でも、「過去の総括(整理)は、(戦争加害国と被害国間の)和解のための前提」であるとも明らかにした。

安倍首相と同じ1954年生まれの戦後世代であるメルケル首相は、本人自らが、ドイツの戦争犯罪について、幾度も国際社会に謝罪している。
 2005年にドイツ初の女性首相に就任した彼女は、2007年9月の国連総会で、ドイツの歴史的な間違いについて国際社会に重ねて謝罪をし、翌年3月にはイスラエルの議会演説で、「ショア(ホロコーストを意味するヘブライ語)は、ドイツ人にとって最も大きな恥」と述べ、イスラエル国民はもちろんのこと全世界に対し再び公開的に謝罪した。
 また、ドイツの現職首相としては初めて、2013年8月、ナチス時代ドイツ南部にあったダッハウ(Dachau)ユダヤ強制収容所跡を訪れ、「収監者たちの運命を思い浮かべながら、深い悲しみと恥を感じる」という内容のスピーチを残し、昨年7月には、中国清華大学講演で、「ドイツの侵略の歴史反省は、苦痛をともなったが正しかった」と強調していた。
 メルケル首相のこの日の講演内容も、これまで行った自分の発言の延長線上にあった。メルケル首相の抑制されてはいるが、明確な「誤った過去の歴史の直視」を促すメッセ−ジを、安倍首相とその周辺は如何に聞いたのであろう?
 特に、安倍首相が今夏に発表予定の「戦後70年談話(安倍談話)」で、戦後50周年の「村山談話」や、戦後60周年の「小泉談話」の核心部分である、植民地支配と侵略への反省と謝罪の文言を抜く可能性について、韓中のみならず米国からも懸念される中、今回のメルケル首相の遠まわしではあるが明確なメッセージを含んだ発言が、安倍首相の歴史修正への暴走に対する「牽制球」になるかどうかが注目される。
 メルケル首相の口から、「失望した」と言われないことが、得策であろう!
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