7―9月期の宿泊旅行実施率は2.4ポイント減

 日本の観光地などに外国人観光客がいま溢れかえっていて、地域によっては、旅館・ホテルが取れないという。別に…ホテルがないから日本人の旅行が減っているわけではない。問題は、旅行などに支出できる可処分所得が長期低落傾向なのが原因。メディアも、外国人の増加をほとんど毎日のように報じてはいるが、邦人のこうした実態は殆ど伝えない。外国人観光客の増加傾向は歓迎すべきことではある。それにしてもこの円安では、日本人は国内どころか海外旅行も減少なのだ。 
以下は日観協短期観光動向から
 日本観光振興協会(山口範雄会長)がまとめた2015年9月調査分(7―9月期)の短期観光動向調査の結果によると、宿泊旅行実施率は対前年同期比で2.4ポイント減の40.3%だった。訪日旅行は大きく伸びているが、日本人の国内旅行が5期連続で減少している。
 7―9月期の意向が実際の旅行に結び付いた割合を示す実現率は、意向44.3%に対して実績40.3%から91.0%と算出。前年同期比で5.3ポイントの上昇した。年代別では20代学生の102.5%が目立ち、地域別では北海道と沖縄を除くエリアが100%超えを記録。なかでも四国が131.3%でトップだった。
 宿泊旅行実施率を旅行目的地別みると、これまで通り関東、関西の順に多いが、関東は1.0ポイント減と全地域で一番の低下。中国、四国、甲信越を除き全国的に低下した。
10―12月期の全体の宿泊旅行意向率は同3.5ポイント減の38.6%
 調査は一般消費者を対象に四半期ごとに実施。今回のサンプル数は4,299。