モロッコ紀行 その3

5月21日 フェズ
  この街も全体が世界遺産。新旧の市街があり、高台から見下ろすと中世に舞い戻ったような景色。モロッコツアーのハイライトの一つと言っても良い。ここは説明せずにはいられない。
まず旧市街の民家でミントティーをいただく。入り口は狭く回りはお世辞にもきれいとはいえないのだが中に入って小奇麗さにびっくり。奥へ入ると真ん中がリビングルームで天井から光が差してとても明るい。その部屋を囲むように周りに部屋が上に螺旋のようにある。台所も大型冷蔵庫などがあり清潔。またティーは主が時間をかけて、生のミントをふんだんに使い淹れてくれる。おいしい。容器もとっても豪華なものでした。すごく合理的な建物だと納得。しかし、フェズの迷路は聞いていたよりすごい。1000本以上あるらしい。一度紛れ込むと、出てこられないようなちょっと不気味な雰囲気。
そして決してきれいではない。道には掃除すれば良いのにゴミが落ちていたりする。迷路は狭いために車が通れず、いまだロバが大活躍。どんな狭い間口でも家や店だったりする。何度もいうようだが、中世にタイムスリップした感じ。またすごい匂いがしてきたらガイド氏がここに入りますと言うではないか。オエー状態。しかし入り口で生のミントをもらって鼻にそれを当て、つまりミントで鼻を麻痺させて、中に入った。4階まで上がっただろうか? いきなり視界が広がり、皮を染めるいくつもの色とりどりの池のような染色用の素焼きの壷が広い面積の屋根一杯にあり、職人さんが仕事をしていた。皮や染料の匂いがこれだったのだと納得。その眺めも絵になるようだ。迷路だけではなくフェズではいろいろ観光をしたが、あまりにこの迷路が印象深く、それ以外は記すことができない。
先日も感じたのだが、世界遺産の街なのにちっとも大事な扱いをしていない人々。また文明に取り残されたような生活。ガイドの説明によると文盲率が60〜70%というから、その影響が出ているのかもしれない。ミントティーをいただいた家は観光産業とうまく組めて裕福になったのかもしれないと思いながらガイドに聞けなかった。