宝塚発〜手塚漫画×善竹狂言 

KokusaiTourist2008-12-23

新作狂言ブラックジャック
 手塚治虫の生誕地宝塚で、先日大蔵流狂言善竹家による新作狂言がありいってきました。演目が手塚漫画の代表作ブラックジャックの“勘当息子”というのに惹かれて初めての狂言鑑賞としゃれ込みました。

 旅の医師(ブラックジャック)が雪に足をとられ難渋し、家を見つけて一晩の宿を頼みます。一人くらしの老母は、久しぶりに帰る息子との再会のために一旦は断りますが、困り果てた様子に招き入れます。今日は老母の誕生日。それぞれ成功した子供たちとの祝いび宴が用意されています。しかし、多忙を理由に誰も帰って来ません。嘆き悲しむ老母。そこへ勘当したはずの四男が帰ってきて…

 初めて狂言というものをみたのですが、室町の時代から伝わるというまさに日本の伝統的古典芸能。後の2本は古典ものということでしたが、人間の自然で素朴な営みの中に笑いとユーモアを表現し誘うという芸は、現代の笑いとの違いを感じさせられるものでした。この世界は一般的に新作といっても何十年も前の作品でも未だに新作扱いされるほどスパンの長い芸能らしいです。
 ブラックジャックの人情の世界を巧みに現代風にアレンジした狂言として表現されており満足のいくものでした。こういうまさに新作ものに挑戦された善竹家の皆さんと企画に拍手したい!(T.MATSUOKA)