此花生活と健康を守る会の声明

 昨日来のマスコミ情報で「事態」に接し、真相、「当事者」の見解を知りたく思っていました。そして、こういう「事態」を利用して、憲法に由来する権利、運動で勝ちとってきた制度、運用の到達点を切り崩す策動に怒りを覚えていたところです。
 此花生健会の「声明」は十分に納得できるものであり、「事態」を悪用する動きへの断固たる回答だと思います。私たちは平和な旅の環境、安心・安全な旅、ディーセントワーク&ライフ(人間らしいまともな仕事と生活)をめざす旅行社の立場から「声明」を支持します。
 この「声明」が大きく拡がり、『生活と健康を守る運動』が民主的なさまざまな運動とともにいっそう発展することを願って勝手ながら当ブログに転載させていただきます。

(以下転載)

       声 明 書

 今般、当会の一事務局員が、就学援助の申請に当たって虚偽の所得証明書を作成し、提出する事件を起こしました。誠に許しがたい行為であります。申請者のみなさんは、このことに一切関与されておらず、また、他の事務局員もまったく関与していない個人的な行為であります。しかし、会を信頼して運動に参加された申請者には多大なご迷惑をおかけすることになりました。一個人の行為とはいえ、会としての監督責任は免れるものではありません。会は役員会を開き、当人も含めて調査し、当人を懲戒解雇にする処分を行ないました。ご迷惑をかけた多くの関係者に深くお詫びいたします。
 生活と健康を守る会は、所得の低い人々を中心とする地域住民が団結して、生活と健康、権利の保障を国や地方自治体、大企業に要求し、人間らしく生きる権利・生存権の保障を確立するために運動する団体です。全国的にも、昨年来より、派遣や請負・期間雇用で働く人が働くところを奪われ、急増する中、これらの人の暮らしを守るためにも奮闘してきているところです。
 此花生活と健康を守る会は、設立以来55年間、区民のいのちとくらしを守るために一貫して運動をしてきました。就学援助制度についても、運動団体の一員として、憲法26条にうたわれている義務教育の無償化をめざす一環として、教育の機会均等を図るために、また、児童・生徒に差別と劣等感を抱かせないようにするため、大阪市とも長年話し合いを続けてきました。その結果、学校で現物支給していたのをやめ、特定のこどもに渡していた申請書をすべてのこどもに配布するようにし、援助費の支給も学校に保護者を呼んで現金支給していたのを改善させて現在銀行振込にし、支給する所得の認定基準を引き上げるなど、制度の改善をはかる運動を続けてきました。そして、多くの保護者が利用できる制度にと現在も運動を続けています。
 教育要求にかかわらず私たちの運動は、なによりも、保護者・申請者・会員が主役であり、私たちの会は、それを支援し、運動化するのが役割であります。主役を抜きにしての運動はありえません。今回の事件は、その基本を逸脱した反社会的行為で、私たちの運動とはまったく無縁のものです。断固許されるものではありません。
 今後、社会的道義を守り運動を進めるために、会内での学習・教育に務め、区民の信頼を取り戻すために、また、区民のいのちとくらしを守るために運動を続けていきたいと存じています。

   2009.2.3         此花生活と健康を守る会 

(以上転載おわり)