兵庫県旅行業協同組合がアピール発表

新型インフルエンザ対策は、政府と自治体の責任
社会・経済生活の面でもきめ細かに

−中小の旅行業者からのアピール−
2009年5月20日 兵庫県旅行業協同組合
感染が神戸、大阪で相次ぎ大変な事態が進行しています。医療現場をはじめ市民の社会生活は混乱の極みに達しています。兵庫、大阪の枠を越えて全国に伝播するのも時間の問題と言われています。今後採られる行政施策とマスコミの対応が神戸、兵庫の生活者、事業者にどれほど大きな影響を引き起こすか想像がつきません。今後の展開次第では、兵庫県は震災に続く大打撃を受けることにもなりかねません。
 県内の修学旅行、遠足、各地からの県内への修学旅行などの中止が広がっています。休校、集会の再検討、不要不急の事業の縮小・休業、外出自粛勧奨などの「措置」がこのまま続くと、旅行はおろか街から人影が消えてしまいます。旅行しようと思っても神戸、兵庫の人々は他地域訪問を自粛せざるをえない情況が「作られ」ています。訪問地が神戸、兵庫からの来訪を断ることもありえます。震災の時には、全国からたくさんの人たちに善意とともに実際に足を運んでいただきました。今回は、感染防御を考えると、神戸、大阪へ行くことを躊躇せざるをえない情況にもなっています。
 いのちに関わる問題だけに、行政が的確な情報を迅速に出し、マスコミもその影響力と責任を自覚し冷静で検証可能な報道に徹し、私たち市民も十分な警戒感を持ち慎重、冷静に行動しなければならないことはたしかです。
しかし、休校や“外出や集会・イベント、旅行自粛”などの「行政的指示」によって間違いなく生じる生活、営業、経営上の様々な“負”の問題へも十分なきめ細かな対策を打ち出すことが国・県・市などには強く望まれます。
私たちの組合員緊急調査ではこの2日間で約500件の仕事(売上額で2億3000万円分=26社回答)がキャンセルになっています。また直前キャンセルで、修学旅行、遠足だけでなく、一般の仕事でも「キャンセル料の発生と負担」がいま問題になっていますが、いわゆる事業者間の力関係のもとで「弱者」にしわ寄せがいくことのないよう、行政が適切な指針を示し必要な手当をしなければならないでしょう。
 昨年から続く経済危機のもと、雇用を始め生活と営業の厳しさは深刻さを増すばかりのいま、新たに発生した非常事態のもとで、私たち中小旅行業者は次の要望を強くアピールします。

1.政府は、今回の新型インフルエンザへの対応を自治体まかせでなく、科学的根拠をもって対応できる政府として「ガイドライン」を早急に示すべきです。

2.休校、集会の再検討、不要不急の事業の縮小・休業、外出自粛勧奨などの「行政措置」により生じた旅行取消しに伴う損失補填についても十分できめ細かな手当を要望します。
3.学校行事だけでなく不況の中で貴重な行楽シーズンの旅行、業務渡航の取消が相次ぎ、その資金繰りは危機にあります。無担保、無利息、無保証人の緊急融資を要望します。
4.マスコミはその社会的責任と科学的知見を踏まえ、検証可能な事実に基づき、消費者及び零細規模から大きな事業者に至る様々な立場に配慮した公平、公正な報道を望みます。
5.いまこそ、こうした非常事態に対応し国民の命と健康、暮らしと営業を守るために、金融機関や自動車、電機など大企業支援重視の見直しと転換が求められます。