“国政・県政与党幹部の繰り言”

対照的な静岡と兵庫。二つの県知事選から見えるもの《7月5日》(M.A.氏のホームページから)
 昨日投票が行われた静岡県兵庫県の二つの県知事選挙は、片や与野党対決、片や相乗りと中身は対照的であった。しかし、結果は自民党公明党の与党にとり極めて厳しいものとなった。
 静岡県の場合は、詳しい分析は後日に待たねばならないが、実質的に分裂した民主党に負けた衝撃は大きい。元高級官僚から参議院議員を経験した女性候補と言えば、通常なら得難いところで、与党陣営が勝てると信じたのは無理もない。新知事の川勝平太さんは、魅力的な学者でかねて私も注目してきており、敵にしたくない立派な候補者だった。ただ、民主党が割れたうえ、鳩山代表のあのような前代未聞の偽装個人献金騒ぎに直撃されたのだから、なんとかなると思ったとしても不思議ではなかった。が、それでも与党は勝てなかったのは深刻だ。
 一方、兵庫県の場合は、勝ち負けは当初から問題ではなく投票率が相手だった。4年前の史上最低の33.3%を超えることが至上命題だった。今回それを3%ほど超えたのだが、得票数が逆に7000票ほど減った(共産党推薦候補は14万票増)のは痛い。ある種の信任投票だったのに、県民からはノーを突き付けられたに等しいというのは言い過ぎだろうか。
 選挙活動の最終日の夕刻に、神戸市の最大の繁華街で候補者と三党の衆参議員六人で演説をしたが、殆どの通行人は足を止めてくれなかった。人寄せパンダ足りえない自らを恥じるとともに、県民が白けている知事選を実感したものだった。その一方で、共産党推薦の対立候補が50万票近くとったことはなおざりにはできない。与野党よってたかって支援しながら、共産党一党の倍ぐらいしか取れなった事実をどう見るか。知事選挙は自然体だとこんなものかもしれないが、結果的に共産党に名をなさしめたことが口惜しい。