北京研修の旅 その2

9月2日〜5日まで北京研修旅行に行って参りました。宋 敏(SONG MING)
 2日目の午前中は首都博物館を見学し、老舗の北京料理「京味楼」にて昼食を堪能しました。午後は北京中心部にある癒しスポットで前海、後海、西海の3つ湖が連なる通称「什刹海」に行きました。古くは水上交通の要所でありましたが、今はおしゃれなバーやショップが集まる風光明媚なヒーリングスポットとなりました。湖岸には柳が立ち並び、風に揺られる様子は大都会の真ん中とは思えないほどの風情が漂います。
 
三輪車(所謂、輪タク)で昔ながらの胡同(北京ならではの言葉:細い路地)を巡り、伝統的な四合院(三王朝時代からある中庭を囲むように東西南北にそれぞれ棟が配置された建築様式で左右対称が基本)と呼ばれる住宅に息づくライフスタイルが感じられ、過去にタイムスリップしたようです。この三輪車は日本の観光地でも最近見かけますが、北京のそれは、「三輪車の列」と言えるような、100台余りの三輪車が胡同通りの両側に列をなして、客待ちをしている様には、その観光客の多さを理解でき、強烈な印象をうけました。しかも、同じグループの人と試乗した三輪車の人夫は、たまたまこの三輪車集団の中で一番優秀な人夫であり、四合院や胡同などを紹介しながら楽しませてくれました。
 その後、北京の地下鉄10号線を体験乗車しました。北京オリンピックを機会に建設された東京の地下鉄に勝るとも劣らない設備と清潔さを保っていて、中国の最新式鉄道にとても気持ちよく楽しく乗車でき感激しました。
また、フランス、イタリア、ドイツなど各国の大使館が集まる三里屯でショッピングし、夕食会場に向かいました。
 3日目の午前中に、今回の研修の主目的である「旅遊研修セミナー」では、北京市旅游局の顧暁園副局長は、「より良い優遇政策を作って、中日両国の観光交流を発展させたい」と述べ、2010年1月より、一般観光客向けに観光施設入場券や航空・鉄道・バスなど交通機関の割引を実施するほか、修学旅行向けには、人数規模に応じて一定の補助金を出す優遇策を展開することを明らかにしました。これら優遇政策によって、2010年の訪北京日本人客数を10%伸ばしたい」と述べ、重要市場である日本人誘致を個人・団体の両面からテコ入れしたい考えを表明しました。
 
セミナーでは、北京市の観光の現状について説明され、2009年1〜6月に北京を訪れた観光客数は、前年同期比20.8%増の8540万人回に達し、これに伴う観光収入は14.6%増の1271億元まで増加しました。なかでも中国国内観光客数は21.4%増の8360万人回と、2割以上の大幅な伸びを示して好調で、国内観光による総収入は、19.1%増の1136億6000万元に達しています。日本人観光客を含む海外から北京へのインバウンド旅行は、世界的景気後退による個人・業務需要の減退や、新型インフルエンザの影響もあって不振でしたが、夏場以降は徐々に回復傾向にあるようです。
 北京市旅游局の旅游促進一処長の王清氏は、「昨年の北京五輪開催によって、鉄道をはじめ公共交通機関の整備が進み、利用者が増えたことで渋滞が緩和されたほか、空気の改善、町並みの改善が進むなど、北京に大変豊かな財産を残した」と述べ、北京五輪の開催をきっかけに観光客の利便性が向上したことを強調しました。これに伴い、2008年の北京市の観光業収入も、前年比5.5%増の320億ドルに達しました。
 また、中国国際航空市場部の副総経理は、「今年10月25日からは、北京首都空港−羽田線の国際チャーター便が就航し、中国国際航空は1日2便を運航する。これにより、羽田2便、成田3便の1日5便が東京と北京を結ぶことになる」として、羽田直行便の開設が需要回復を後押しすると予測、航空業界としても中日交流拡大に大きな期待を寄せています。日本路線は非常に重要で今年は著しく回復する兆しもあり、中日交流の架け橋として、交流拡大に寄与したい考えを強調しました。