神戸の観光について その1

KokusaiTourist2009-09-21

(by T.MATSUOKA)
1.最近の観光をとりまく環境…
 何かがおかしい…

「ETC搭載マイカーのみ高速道路どこまで行っても1,000円、これ税金!
燃油サーチャージ復活、消費者転嫁自由自在の航空業界!
「一流温泉旅館、“ファンド”に買収、1泊2食7,800円で『大繁盛』?!」
神戸空港関空へ乗船率20%程度の海上アクセスまだ残す…?
片道1,500円乗ってもらって、駐車料何日置いても無料!(通常24時間1,500円)
「国の管理空港8割が営業赤字、黒字は伊丹!・鹿児島・熊本・新千歳のみ」 観光を取り巻く環境、何かがおかしい!


2.観光立国日本の歪みの歴史と現状
日本列島改造論(1972年)、「リゾート法」(1987年)による政策的な観光地づくりと情報・通信技術の発展を背景に、巨大観光大資本が「成長」し「観光の商品化」が急速に進みました。
②「旅の商品化・大衆化」は、個性を求める「旅の主人公」の自覚を高める一方、観光資本にもニーズの先取り、商品の多様化、地域観光資源の発掘など戦略の見直しを迫りました。
③はじめて“旅が権利である”ことを盛り込む一方、航空運賃など旅行関連費用の季節波動を奨励した1995年の観光政策審議会の答申を契機に、交通観光分野での「規制緩和が強行されました。それは、経済界に歩調を合わせ、観光を経済政策に“従属させる”ものでした。
④2008年秋、観光庁が設置されましたが、観光関連の各種目標数の設定し、地域集客プラン策定を地方に呼びかけ、国が音頭を執って地方に集客企画を競わせています。国内の宿泊数年間1人4泊の目標(2010年)も、設定された05年2.89泊が07年は2.47泊に下降しています。
経済危機、消費不況の中の集客競争は、「バブル」のさなかの「リゾート法」が各地で開発を競わせた結果、ほとんどが失敗に終わった80年代後半の二の舞となるだけでしょう。
観光庁の政策目標のトップにあるインバウンド(訪日観光客)を2010年に1,000万にとの目標(2007年835万人)も、「国際競争力(!)のある魅力ある観光地づくりへの支援」を第一に掲げています。観光客の「外需依存」「新自由主義」の観光版というものです。
⑦旅人の受け入れは地元の良さをアピールしたい地元民の喜びです。海外からの多くの訪問客に自国の良さを知ってもらいたい思いは日本でも世界でも共通のものです。しかし、旅は競争原理になじまない観光政策は経済への波及効果は考慮しても経済政策に従属させてはなりません