日本航空が会社更生法申請

KokusaiTourist2010-01-20

西松氏「再び日本を代表する強い航空会社に」
 web版業界紙トラベルビジョンより[掲載日:2010/01/20]

日本航空(JL)と日本航空インターナショナルジャルキャピタルは1月19日、会社更生手続き開始を申し立て、手続きの開始決定を受けた。また、これを受けて、企業再生支援機構は再生支援を決定した。管財人は企業再生支援機構と弁護士の片山英二氏。支援機構は、商取引やリース取引の債権が従来通りの条件で支払われること、航空券、マイレージ、発行済みの株主優待券が保護されることなどを支援の前提としており、総額6000億円の追加融資枠を設定することでこれらを実現した。今後6月末までに更生計画案を策定する。
 JL代表取締役社長の西松遙氏は、経営責任をとって同日付けで退任。新経営体制は、2月1日に京セラ名誉会長の稲盛和夫氏がJL会長に就任した後、2月上旬に発足する。それまでの暫定的な体制として、専務執行役員の上原雅人氏がグループCOO臨時代行に就任し、執行の最高責任を担う。
 同日に会見した企業再生支援機構取締役で企業再生支援委員長の瀬戸英雄氏は、法的整理により透明性、公平性が確保でき、結果的に「ナショナルフラッグキャリアとしての栄光の歴史の裏に徐々に堆積した負の遺産を総点検するとともに、公的資金の投融資のリスクを最小化し、さらに偶発債務の発生を遮断するだけでなく、数字として表れない過去のしがらみからの開放も確実に実現できると思っている」とねらいを説明。その上で、「JLの社員、新しい経営陣と手を携えて、現場から上がる声に耳を傾けて一歩一歩着実に再建に取り組んでいきたい。再挑戦しようとしているJLの社員を、広い心で応援していただければありがたい」と挨拶した。
 また、西松氏は、「株主様、お取引金融機関をはじめとする債権者の皆様には多大なるご迷惑をおかけする結果となり、誠に申し訳なく思っています。心よりお詫び申し上げます」と謝罪。そして、「グループ社員は、このような厳しい状況の中でも高い意識を維持している。今後も、これまで培ってきた高品質をもとに、日々の運航をしっかりと支え、稲盛会長のご指導をいただきながら、心を一つにして会社の再生に努めてくれるものと信じている」と強調した。
その上で西松氏は、「本日、JLは政府、金融機関、株主、そして国民の皆様から最後のチャンスを頂いた。再生計画を早期に策定し、これを着実に実行していくことで、再び日本を代表する強い航空会社に生まれ変わることができると確信している。早期に再生し、これからもご利用いただくお客様のお役に立ち、それによって国の繁栄に貢献し続けていくことこそが、ご支援にお応えする唯一の道」と語り、再建への努力に期待を示した。