09年訪日外客数は19%減の679万人、6年ぶり減少−JNTO推計値

(web版業界紙トラベルビジョン[掲載日:2010/01/26])
 日本政府観光局(JNTO)によると、2009年の訪日外客数は前年比18.7%減の679万人と大幅に減少した。今回のように訪日外客数が減少するのは、SARSが流行した2003年以来6年ぶりで、減少幅が2桁となるのはプラザ合意による円高が進んだ1986年以来23年ぶりとなった。JNTO理事長の間宮忠敏氏は主な要因として、経済不況、円高新型インフルエンザの流行を挙げた。また、「観光立国実現はリードタイムの長い分野」と話し、「常に情報を発信しプロモーションを継続していくことが重要」と述べた。

 国、地域別の動向を見ると、減少がもっとも大きかったのは韓国で33.4%減の158万7000人となった。また、台湾も26.3%減の102万4000人となり、訪日市場の1位、2位にあたるこの2国の減少が訪日外客市場全体の4分の3を占めた。ただし、月別の数値では韓国も台湾も12月は2桁増の増加率となっている。こうした中で中国は8月以降5ヶ月連続で前年を上回った。観光目的、商用目的の割合では、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)以降拡大を続けていた観光客のシェアが後退している。
 なお、2009年の出国日本人数は3.4%減の1544万6000人となり、3年連続で前年を下回った。月別で見ると、ゴールデンウィークの出国ラッシュとなった4月を除くと、個人消費の落ち込みや新型インフルエンザ拡大などが影響し7月までマイナス基調で推移した。一方で8月以降は燃油サーチャージの廃止などにより回復傾向になり、9月はシルバーウィークで海外旅行需要が高まり伸び幅が拡大した。