「岡本ホテル」捜索 「ファンドで運用」

KokusaiTourist2010-05-27

5月27日7時56分配信 産経新聞
 静岡県熱海市の老舗旅館「岡本ホテル」などを舞台に、元本保証をうたって約200億円を不正集金した出資法違反事件で、ホテル運営「岡本ホテルシステムズ(東京都中央区)と会員制クラブ運営「オー・エム・シー(同)が入会者勧誘の際、「預託金はファンドで運用するので安心」と説明していたことが26日、入会者の証言で分かった。一方、捜査関係者によると、預託金の一部の数億円が使途不明になっており、暴力団が関係するヤミ金業者に流れた疑いがあるという。 
警視庁と兵庫県警などの合同捜査本部は同日、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで、両社やホテルなど関係先約90カ所を家宅捜索。捜査本部は勧誘時の説明と運用実態が異なるとみて、押収資料の分析を進める。
 両社は平成17年4月以降、会員制温泉クラブ「岡本倶楽部」への入会を勧誘する際、100万〜1千万円の預託額の元本保証を約束し、グループのホテルに宿泊できるポイント券を交付。「宿泊に使用しない場合は60〜75%で買い取る」と宣伝し、5千人超から計約200億円の預託金を違法に集金したとされる。
 捜索容疑はオ社が19年以降、数人から数億円を不正に集めたとしている。捜査本部は当初から、元本保証が確約できるシステムではなかったとみている。
 岡本倶楽部岡本ホテルシステムズ社が17年4月に運営を開始。18年10月に関連会社のオ社へ運営を移管していた。

岡本ホテル、金の一部は暴力団流入
5月26日19時33分配信 TBS
 朝早くに東京駅前を出発する、岡本ホテルグループのバス。「岡本倶楽部」と称するリゾートクラブの会員たちを無料で送迎するものです。
 「お金を減らさずに温泉旅行ができる」。そんなうたい文句で、岡本ホテルグループは5年前から「岡本倶楽部」の会員を募り、高齢者を中心におよそ6000人の会員を集めていました。
 「『いくらか(金を)預ければ、利息でホテルに泊まれる』という勧誘」岡本倶楽部の会員)
 岡本倶楽部、「会員になれば出資額に応じて系列のホテルで利用できる宿泊ポイントが与えられる」、また、「使い切れなかったポイントは倶楽部側が1年ごとに買い取り、預けた金も5年後に全額返す」などと説明していました。
 「すごくいい話。黙って使わなければ500万円が800万円位になる」岡本倶楽部の元会員)
 例えば、1000万円を預けた会員が一度もホテルを利用しなければ、5年間でたまるポイントは800万円分に。それを倶楽部側が75%で買い取り、会員の手元にはもともと預けた金と合わせて1500万円余りが返金されるという、高利回りをうたっています。
 しかし、元本を保証して金を集めることは出資法で禁止されています。電話で問い合わせてみると・・・。
Q.元本保証してもらえる?
 「そうです。うちは年会費・管理費とらないから損はしてないと思うんです」(岡本倶楽部の説明)
 こうして「儲け話」をもちかけ、全国の会員からおよそ300億円を集めたとみられますが、実際には「自転車操業」だった疑いが出ています。倶楽部側は会員らに、「集めた金をホテルの買収資金や安全確実なファンドで運用する」と説明していましたが、ホテルの従業員は今年に入ってから「資金繰りに行き詰まっていた」と証言します。
 「給料日が来ても、知らん顔してれば給料がもらえない。1月の給料を3月にもらった。やっと。従業員みんなで大騒ぎして」(岡本ホテルの従業員)
 ホテルの「売り」であるはずの温泉も・・・。
 「お風呂を沸かす何か(燃料)がなくて、風呂が沸かなかったり、電気を止められるとか、ガスを止められるとか、しょちゅうある」(岡本ホテルの従業員)
 岡本ホテルグループでは10年前から元暴力団組員がグループの実質的な経営者となっていて、警視庁は金の一部が暴力団に流れていた可能性もあるとみて全容解明を進める方針です。(26日15:19)