旅行業倒産、11年度は16件増の53件、負債は減少

WEB版業界紙トラベルビジョンより
 東京商工リサーチTSR)によると、2011年度(2011年4月〜2012年3月)の旅行業倒産件数は前年比16件増の53件となった。負債総額は39億2900万円で、前年の49億600万円から19.9%減TSRでは、東日本大震災後の1年間であり、震災による自粛や放射能問題など、震災の影響を間接的に受けたと分析。震災関連倒産は7件で、年度の後半には円高効果による海外旅行の増加もあったものの、中小旅行会社を中心に厳しい1年であったとしている
 3月単月では、倒産件数は2件増の6件であったが、負債総額は17億300万円と前年の3億7500万円から354.1%増と大きく拡大。これは、名古屋市中村区の旅行会社ケイ・テイ・エスが16億円の負債を抱えて破産申請した影響が大きく、それ以外の会社は負債総額が5000万円未満の小規模な倒産という。
 形態としては6件中5件が破産で1件が特別清算TSRでは、厳しい業績を耐えてきた小規模業者が年度末を越えられず、整理に入った会社が中心と見ている。なお、ケイ・テイ・エスは法人向けの営業をおこなっていたが、「ジリ貧状態」から破産申請にいたったという。
 宿泊業については2011年度累計の倒産件数が37件増の141件、負債総額は30.9%増の977億8700万円。3月は件数が2件増の13件で負債総額は78.6%減の51億9700万円となった。震災関連倒産は累計が40件、3月単月が3件であった。