クルーズが来る 海陸で目玉登場の13年

2013年は海陸ともに「クルーズ元年」になりそうだ。海ではクルーズ業界の雄、プリンセスクルーズが日本発着のクルーズに本格参入する。陸では、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」がデビューする。いずれも予約、問い合わせ状況は好調で、日本国内だけでなくアジア市場も喚起する勢いをみせている。
(トラベルニュースat 13年2月25日号)
プリンセスクルーズ
プリンセスクルーズ(米国)は4月から3カ月間、サンプリンセスの日本発着クルーズを実施する。横浜、神戸港を起点に9泊から12泊の9コースを運航する。
早くも14年増強発表
日本での販売元のカーニバルジャパンによると、これまでのクルーズ市場をけん引していた高齢者層に加え、若年層や家族客の予約も多いという。従来の高料金のイメージを打破する9泊12万4千円からという価格設定や、日本人スタッフが数多く乗船し対応するなど敷居を下げた受け入れ態勢が奏功したほか、2種や3種の旅行会社にまで間口を広げ販売セミナーを繰り返し開いたことも要因とみている。特に、セミナーでは中小旅行会社の新たな収益源としてクルーズ市場の開拓へ共闘を訴えていたのが印象的だった。
初年度の手応えから、14年には2隻体制で臨む。7万7千トンのサンプリンセスに加えて、11万トン型のダイヤモンドプリンセスを投入。コースは42本に増やし、10万人の販売を目指す。
旅行会社での販売拡大にも引き続き意欲を示しており、独自の教育システムを実施するという。マスコミなどに大きく取り上げられ日本での認知は高まっているが、寄港する韓国や台湾での反響も大きいという。
ななつ星in九州
一方、JR九州が10月から運行する「ななつ星in九州」。1両に2―3室しか設けずゆったりとした造りの客室、九州の美食にこだわったダイニングカーやラウンジカーなど、日本初のクルーズトレインをうたう。
初予約に7倍以上応募
運行開始から12月までの予約を昨年10月に受け付けたところ、応募数は定員の7倍以上に。香港や台湾、中東諸国など海外の旅行会社からも引き合いがあるという。

ななつ星in九州」の車内
JTBは2月18日、ななつ星の貸切ツアーを発表した。東京、大阪、名古屋発着の4コースを設定。代金は2人1室利用で、1人35万円から87万円。東京発着は、JR九州がすでに受け付けを終了している10月の実施で、10月24日発はななつ星1泊2日コースのデビューになる。
大阪、名古屋発は4日間の設定で、ななつ星3泊4日に、温泉旅館をつけた。
東京、大阪発は2月22日午後から売り出すが、早々に売り切れそうだ。
今年は海陸でクルーズが席巻するのは確実だ。