再稼働申請に待ったをかけた男 泉田裕彦新潟県知事

8日に柏崎刈羽原発の再申請を決めた東電の広瀬社長が5日に知事に「理解」を求めに行った。結果は応対30分で、「申請は了承しない」とものの見事に“追い返された。
その間のやり取りは各紙も書いてるが、「朝日」によると、この二人のやり取りからは、大袈裟にいえば、良くも悪くも“この国のかたち”のいまをが見えてきます。

1.住民代表の知事の了承なしで稼働申請はできないというまさに“法治国家”であること。
2.ビッグ企業のトップが社会的責任の何たるかを理解せず、個人店主の持つ地域貢献・責任力の方が大きいのではと感じる。
3.財界の一地方自治体に対する上から目線と、財界寄りの自治体が少なからずあるとの思いこみで何とかなるとの稚拙な判断しかできない日本トップ企業の社長のお粗末さ。
4.泉田知事は中越地震の際にも積極的な役割を果たされた。地方自治体のトップとして、しっかりした判断力。責任感、それよりも政治家としての“哲学”をお持ちで、まさに“大あっぱれ!”こういう知事のあり方が普通の日本にならねば…
5.交渉力、折衝力は、人間性、職責への姿勢、住民への思いの軽重が決めるということがわかる。経済主義、責任回避からは交渉というより、“ごり押し”しか生まれない。

「朝日」から、「やりとり」を拾ってみます。
知事:端的に聞く。申請を何故急いだのか。
社長:もう少しやり方があったと思う。
知事:もっと聞きましょうか?年度内の黒字を急いだか。
社長:絶えず意識している。3期連続の赤字は避けたい。
知事:昨年、安全と金とどっちが大切かと聞いた際、安全」と答えていただいたのはウソだったのか。
社長:イエイエ
知事:東電は約束を守る会社か。
社長:そういう会社でありたいし、そう毎日やっているつもり。
知事:安全協定は県と東電との約束。事前了解なしに申請はしませんね。
社長:(申請)と並行してチェックしてもらうのも可能なのでは。
知事:事前了解とみなせない・約束を破るのか。
社長:同時並行的に進めていただくのは。
知事:信頼できない。
社長:規制委員会に審査頂くのも、安全を確保するため。
知事:事前了解をとってください。
社長:ですので。
知事:話がかみあわないなら、どうぞお引き取りください。約束を守る、これがスタートライン。
社長:今回の状況を鑑み、相談させてください。
知事:相談できる相手になってください。