参院選、地方紙の評価は…その1

琉球新報より抜粋
自公参院選圧勝 より謙虚な政権運営を 県内移設は撤回のとき
2013年7月22日
 第2次安倍内閣発足後、初の参院選自民党が圧勝した。自民、公明両党が非改選を含めた過半数(122議席)を確保、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」は解消される。安倍晋三首相は衆参で安定多数を得たからこそ、より謙虚に政権運営に努めるべきだ。
 自民公認・推薦候補が全国各地で勝利する中、沖縄選挙区は憲法改正や米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設などに反対する現職の糸数慶子氏が当選した。政権与党は沖縄の民意をしっかり受け止め、県内移設の日米合意見直しに本腰を入れて取り組むべきだ。
沖縄に民主主義を
 普天間飛行場の返還問題に対する沖縄の民意は明解だ。糸数氏も、自公が推した安里政晃氏も県内移設に一貫して反対した。最新の琉球新報世論調査でも74%が県内移設にノーの意思を示した。
 自民党本部は、自民県連の「県外移設」の意向を無視して、党公約に辺野古移設を明記した。政権与党は、沖縄の民意や自然環境の保護を求める世界潮流も直視し、日米合意の破綻を悟るべきだ
 繰り返し指摘してきたが、県知事や県議会、県下41市町村の全首長、全市町村議会が辺野古移設に反対している。民主的手続きを一顧だにしないのはアンフェアであり、民主国家とは言えない。日米は民主主義、基本的人権の尊重を共通の価値観だと盛んに喧伝(けんでん)する。ならば、沖縄にもその民主主義をきちんと適用してもらいたい。
 尖閣諸島竹島の領有権問題では、中国、韓国と対立したままだが、そろそろ首相自ら問題解決に乗り出すべきだ。その場合、武力による解決は国際法上も禁じられており、選択肢になり得ない。
 安倍首相は領土ナショナリズムの沈静化に努めつつ、尖閣竹島問題の平和的解決に向けて中韓首脳に会談を働きかけるなどリーダーシップを発揮してほしい。「戦争宰相」ではなく、「平和宰相」として名を残してもらいたい。