長崎、特攻艇の資料館開館 「記憶風化させない」


特攻艇「震洋」の模型と、資料館を管理する広川英雄さん=19日、長崎県川棚町


 爆薬を積み、敵艦に体当たりする旧日本軍の特攻艇「震洋」の模型や写真を集めた全国的に珍しい資料館が、訓練所のあった長崎県川棚町に開館した。教官だった西村金造さん=故人=の「命を失った多くの若者の記憶を風化させたくない」との遺志を受け継ぎ、地元の住民団体が開設した。

 震洋は1〜2人乗りのベニヤ板製モーターボート。約250キロの爆薬を積み、集団で米軍の艦船に特攻した。旧日本軍が起死回生を狙い開発したが、敵艦に当たる前に多くが撃沈された。資料館によると約2500人が犠牲になったという。(共同通信