消費増税、高まる生活圧迫懸念…広がる物価上昇、基本給減、需要反動減も追い打ち

Business Journal 10月4日(金)5時0分配信
 安倍晋三首相は10月1日、消費税率を2014年4月に現行の5%から8%に引き上げると正式に表明した。景気の腰折れを防ぐため、消費増税に備えて、公共投資を柱にした補正予算や企業向け減税など5兆円を超える経済対策を12月上旬に策定する。国民が負担する3%の増税分8兆円のうち2%分に相当する5兆円を、企業などに戻して景気を下支えするシナリオだ。

 消費増税で、私たちの生活はどうなるのか? 大和総研の是枝俊悟研究員の試算では、世帯年収600万円の共働き(正社員+パート)4人世帯で、14年4月から15年3月までの1年間に使えるお金は10万7700円減る。現在と比べて毎月9000円のお金が使えなくなる計算だ。アベノミクスによる円安で輸入物価の上昇が続き、食品を中心に値上げが相次ぐなか、消費増税が追い打ちをかける。
 10月1日から、乳飲料、ごま油、清酒などの出荷価格が引き上げられた。家庭用のごま油は10%以上の値上げ。清酒の値上げは19年ぶり。輸入大豆の高騰で、関西の豆腐メーカーは出荷価格を2割引き上げた。輸入小麦の政府売り渡し価格は、平均4.1%引き上げられる。半年ごとの価格改定に伴い、昨年10月以来3回連続の値上げだ。家庭用小麦粉やパン、麺類の値段にも波及しそうだ。ハンバーガーはすでに値上げした。
 食料品以外にも値上げが広がる。海外旅行ツアーの料金は3〜10%の上昇。自動車保険の保料(任意)は、損保大手3社が平均1〜2%引き上げられる。
 電気やガスなどの公共料金、郵便料金、銀行の手数料なども増税分の転嫁で一斉に上がる。現行のATM利用手数料は1万円以下は105円、1万円超は210円だが、それぞれ108円、218円に14年4月から値上げする方向だ。
 8月の消費者物価指数は1年前と比べ0.8%上昇した。だが、基本給は14カ月連続で減った。会社員が加入する厚生年金の保険料(労使折半)は16.766%から17.120%に上昇。諸手当含め月額30万円の人の場合、毎月の天引き額が531円増える。一方で年金支給額は10月分から1%の減額が始まる。政府は「物価スライド特例分」の解消を口実に、年金の2.5%の削減を決めている。
 消費税増税は食料品の値上げで苦しくなっている家計に、さらに大打撃を与える。
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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131004-00010003-bjournal-bus_all