賃上げは減税でなく内部留保を原資にするのが歴史的にも統計上からも妥当!

安倍首相は、消費税増税による景気後退を防ぐとする経済対策の要に法人税減税を据えています。曰く、「減税による従業員給与の引き上げで景気の腰折れをなくす」と。
 しかし統計では、上位企業50社の法人3税実質負担率は、03年の34.9%から11年には23.0%にまで大幅に下落しています。その中で、劇的に増やしたのが内部留保です。97年に223兆円だったのが11年には460兆円まで膨らんでいます。http://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20131018
一方で平均給与は、97年の391万円が11年には366万と25万も減少しています。減税分が賃上げに回らず、内部留保として企業に積まれていっただけなのは明らかです。
 売上高は、03年の1467兆円は11年には1381兆円に下落してるのに、経常利益は28兆円から45兆円にまでほぼ右肩上がりで増えています。賃下げと減税で内部留保を溜め込んでるのは統計をみれば明らかです。
 売上に対する内部留保の比率は、97年の15.2%が11年には33.3%と異常な数字です。
賃上げが実施されても消費税増税と抱き合わせでは消費ではなく貯蓄に回るから景気に反映しないとの見方もあります。今必要なことは、消費増税で8兆円、賃上げをチラつかせての「経済対策」で5兆円などの相矛盾する姑息な手法でなく、大企業に溜め込まれた内部留保を原資にした賃上げをさせ消費購買力を引き上げ中小企業も含む景気回復を図ることです。
 
 (資料は、「労働総研資料」から作成)