地球へ途中下車第95回

素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録

前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20131123

3週間ほどアメリカです。
○○

2012年04月18日(水) 21時29分06秒
アメリ
アメリカ本土最南端の島、キーウエスト】
…キーウエストはマイアミから南に、海に向かってまっすぐ伸びているハイウエーの先にある小さな島です…距離的にはもうキューバのほうに近く…かつては戦略上、アメリカの重要な軍事基地でした。今はリゾートアイランドになっています。

34の島と43の橋を超えて海を渡っていく、セブンマイル(約10キロ)というハイウエーが有名です…

でも道路が整備されすぎているためか、期待していたほど大海原に向かってまっすぐ伸びた一本の道、という感じはしなかったです…。日本の瀬戸内海のしまなみ街道のほうがきれいかも?

横に昔のセブンマイルらしき残骸がいくつもあります。
こんな感じだったのでしょうか?

…これだと、たしかに海と空の一体感のなかを走る爽快感はあったかも。
でもちょっとコワイかも…

…で、バスで約3時間半でキーウエストに到着。

島内は古きよき時代のアメリカをコレクションしたテーマパークアイランドのようです。

元海がめの缶詰工場だったというシーサイドレストランで名物のオイスターを食べ…
(生はあたるとコワイので、焼いたやつ)

30分ぐらい歩いて、島の西南にあるビーチへ

ここもマイアミと同様、カリブ海特有のグリーンの海なのですが、カンクンキューバに比べると、どうしても水のきれいさではやっぱり見落とりがます。生活廃水、工業排水の量が違うのかな?地理的な問題かな?

…このもう少し先に本土最南端の印、サザンモストポイントがあります。でも実際の最南端は隣接する海軍基地内にあるそうで…
軍艦が浮かんでいるのが見えます。

キューバ危機のときはこの海上が封鎖され、アメリカ大統領が核兵器の発射ボタンを押す秒読み寸前までいったそうです…。あわや第三次世界大戦・米ソ全面核戦争が勃発する最大の危機がこの海であったのです…

いまは豪華客船が出入りする平和なリゾートアイランドですが…
(さっき、港に停泊していた豪華客船が出港したようです。今度はあの船で来たいね…)

…このツアーはマイアミピックアップが朝7時で、ドロップアウトが夜10時、現地でなんと7時間もフリータイムがある往復バスツアーで一人49ドル(ちなみにグレイハウンドで行くと片道45ドル)で、かなりお値打ちでした…。インフォメーションで聞いたツアーは65ドル。
…でもそのぶん、運転手さんが一人でツアー代金を集金し、参加人数を確認し、大型バスを運転しながらマイクで「ハロー・エブリーバディ!」…ってガイドトークをやる…さずが競争社会のアメリカですが、ちょっと不安でした…スタッフもう一人乗ってほしいかも…
( ̄_ ̄ i)

ダウンタウンのホリデーインホテルの前で降り(ダウンタウンはここ一箇所のみ)、テイクアウトのサンドイッチを買って、3番のバスに乗ってまたホテルまで帰ってきました…
長い一日でした…!
セブンマイルの夕日




2012年04月19日(木) 13時25分40秒
アメリ
【消費税7%、自己責任100%…アメリカ社会】

フロリダ州の消費税は7%…

宿泊にかかる税金は13%…
(これが大きい!)

不機嫌=プライスレスです…

夫と妻、それぞれ30代の頃、初めての海外は、ロスアンジェルスとボストンで、アメリカでした。

…で今回、メキシコからアメリカに上陸したとき、たぶんそのファースト海外のワクワク感やドキドキ感がよみがえってきたのでしょうか……
…だってトイレで紙を捨ててもいいし、だいいち紙そのものがふんだんにあるし、せこいこと言わないし!
スーパーに行けキラキラする商品がば大量にあふれているし…
南米でよくみかけたような袋の表面が汚れてるとか、ねちゃねちゃしてるとかありえないし…
ほしいものが全〜部 、そろっているし!

ゴージャス! 楽〜し〜い!  
 
 来た!やっぱアメリカだよね!

…って若干、そんなきぶんだったのですが…

…あの頃と違うのは、2人が世界のいろんな国を見てきたあとだ、ということでしょうか?
…それともアメリカ自体が変化してきているのでしょうか?…

…要するにここは、世界一の消費大国で…
これでもか!これでもか! とゴージャス感! アミューズメント感!…があるのは、
要は庶民に消費させんがため、
お金を使って、カードの支払い額を増やさんがための、
「誰がために金はある」、
あの手この手の手練手管であって…、
ここではお金を使うこと、消費こそが美徳であり、善であり、世のなかのすべてであり…
お金を持っていること イコール 幸せで…
お金がないと、人だとは認めてもらえない…

…そういう社会なんだという舞台装置にすぐに気がついてしまったのでした…。

一個買ったら、一個タダ!

…ようやくエスパニョールの世界から抜けて、英語圏に入った! 英語なら中学生程度では会話できるし、これでようやく自由に意思疎通ができる! バンザーイ! と思っていたけど…

はっきり言ってマチガイでした…

人々がすごく不機嫌で…
(特にサービス業、接客業に多いブラックピープル系が)
声をかけづらい… 

ある意味、いまの日本も同じだけど、みんな、
「自分に関係ないこと、ややこしいことかかわりあいたくない」、
という雰囲気が、ありあり、なんです…。

「すいません。ここに行きたいんですが…」
…と聞いても
「I dont know !」
と一言、いわれてジ・エンド! の確立、きわめて高し…

または、
(そんなこと、i pod で調べたらすぐにわかるやろ?!  いちいち人に聞くな!このタコが! こっちは今それどころやないねん! ボケ!)
っていう感じでもある…

もしも、これが南米・中南米だったら…
他人に何か質問されたことが、なんだかとても嬉しそうで、人の役にたつことが楽しそうで…自分が知らない場合は、わざしてわざその周りにいる人をよびとめて二重三重に聞いて、2、3人で協議して、一生懸命、スペイン語で説明してくれて、それでも困った顔をしていると、

「あーもう、一緒に行ってあげるから、とにかくついておいで!」
…という展開も多々あって、
「キシエライールア〜(〜へ行きたい)」と、「ドンデエスタ〜?(〜はどこですか?)」の2フレーズだけで、なぜか、あまり困ることがなく…なんとかなりました。

…逆にこちらも聞いてこられることも多かった。「いま何時?」 とか、「地下鉄の駅はどっち?」 とか、わからなくても腕時計を見せたり、指差したり、あるいは平気で日本語で答えても、なんとなく通じたりして…あー人と人とのコミュニケーションってこういうことなんだなあ、と思うことが多かったのです。

なんか困ったことがあったら、そのときに、そばにいる人に聞くのが、一番普通…社会

 みな陽気で気さくで、人なつっこくて、開放的で、
 人生をめいっぱいエンジョイすることに貪欲で…
 たとえお金なんかなくても…

…でもアメリカで絶対的にいえてることはお金がなければ、幸せはありえません。
そして「あんたが、こう言ったから損したやないか。どうしてくれる?」という責任追求を恐れて、余計なことはしない、言わない保身社会、自己責任社会…。

いま、アメリカのことがそんなふうに感じられます…

ブラジルのポルトセグーロの海岸でレストランを探していたとき出会ったおっちゃんが、
「…俺は9年間、ユナイテッドステイツにいたから少し英語が話せるんだ。なんでも困ったことがあったら俺に言ってきてくれ。力になるぜ。ここはいいレストランだろ? 安いし、うまい。俺の姉ちゃんがやってるんだ…(なるほど。さっきからしきりに「あんたは黙って引っこんでな!」って言ってたのはお姉さんだったか…)。ユナイテッドステイツは最悪だった。だからブラジルへ帰ってきたのよ。ブラジルはいい国よ」

…って言ってたけど…彼が一体どんな体験をしたのか
今、なんとなくわかるような気がするのです…

夫と妻、旅人目線より、もしかして南米からの移民目線? か?

2012年04月20日(金) 09時54分25秒
アメリ
【グレイハウンド乗り放題(ディスカバリーパス)を買った】
アメリカ…

広い! 大きい! 高い!

 途方もない…
 攻略しにくい…
 歯がたたない…

片側だけで3車線、対岸のバーガーキングへ行くだけでも命がけ&大冒険のでかい道路を目の前に、さまざまな表現が脳裏をかすめる…
…この広大なアメリカを、低予算、低語学力、低体力レベル、車なしで、2人、いったいどうやって回ればいいのか…
…80日間、手っ取り早く、便利で快適な方法を選択していたら、たぶんお金がもたない…

確かにヨーロッパのときも宿代含めて物価は高かったけど、交通費は基本、ユーレイルーパスを使って鉄路移動できたし、あとはメトロや市バスで観光名所に比較的簡単にアクセスできた…

東海岸→西海岸の移動は飛行機で飛ぶにしても…
西部では5日間ぐらいはレンタカーを借りるにしても… 
部分的にアムトラック(鉄道)を使うにしても…

基本的な都市間移動の手段は?

やっぱ…バス…だ…よ…な…

で、やっぱりグレーハウンド乗り放題のデスカバリーパスを購入することにしました!
(60日間有効で564ドル)(ほかにも7日、15日、30日などの種類がある)

…走る犬が目印のグレーハウンドはアメリカ最大手の長距離バスカンパニーで、団塊世代は昔、「逃亡者」というアメリカのテレビドラマの主人公のリチャード・キンブルが全米各地を転々とするときによく乗っていたあのバス、という遠い記憶が蘇る、あのバスです。

ディスカバリーパスを購入すると乗り放題でカナダのバスも乗れるらしい。wifiができ、各座席にコンセントのある車輌もあります!

ま、ま、一度ぐらいは乗ってみたかったけど、この先アメリカで、ずーっとお世話になることになるとは…

マイアミのグレイハウンド・バスディーポです。(空港の近く)

最初なので、2時間前に来ました(通常は45分前ぐらいでよい)。

チケットには…
どこのターミナルに何時何分について、何分休憩、とスケジュールが詳しく記載されています。15分の休憩はトイレ、40分の休憩は食事タイムだそうです。

これはいいね!思えばトルコにはじまり、スペイン、モロッコ、そして南米、中南米、と、長距離バス旅行を続けてきましたが、いつもこれがわからないので、食事が本当に場当たりになります。

…今回の我々の乗車スケジュールは、
午後1時にをマイアミを出発
午後5時25分にオーランドで一回目の乗り換え
 …乗り換え待ち時間3時間20分
午前4時25分にアトラタで2回目の乗り換え
 …乗り換え待ち時間3時間35分
で、翌日の午後2時15分にメンフィス到着です。

このタイムスケジュールはインターネットでもチェックすることができますが、チケットにちゃんとプリントアウトしてくれています。

座席は指定ではないので、早く並んで前から3列目ぐらいの席を進行方向を考えて陽があたらない側を選ぶ。車体預けの荷物はチケット発券のときに、タッグと引換券をもらい、バスを乗降する度に、出し入れしてもらいます。

さあ、それではグレイハウンドで行くアメリカ大陸の旅のはじまりです!









2012年04月21日(土) 13時31分34秒
アメリ
【ブルースのふるさと、メンフィス】
グレイハウンドのなかではwifiが使えたのですが…
何度やっても「保存・公開できませんでした」
という表示が出て、何度かトライして、最後はあきらめたのですが
実際にはつながっていたようで…
同じものを2度もアップしてしまいました…
失礼しました!

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グレイハウンドを3本乗り継いでで移動してきた最初の町はテネシー州のメンフィスです。

ところでグレイハウンドのバスティーポ、歩き方の地図にあったダウンタウンから市バスで約50分の郊外へ場所が変わっていました…
着いたのはええけど…「ここはどこ?」…これはつらかったです…
( ̄_ ̄ i)

さてメンフィスはブルースのふるさとと呼ばれています。
…ブルースはもともと綿花畑で過酷な労働を強いられた黒人の奴隷たちの魂の叫びが音楽になったもの。エルビスプレスリーがこよなく愛した町、また黒人解放運動に尽力したマーチン・ルーサ・キング牧師が暗殺された町でもあります。

まちのなかにはトローリーが走っています。

まちの中心にビール通りという夜になると活気づくにぎやかな通りがあり… 
どのバーでもライブをやっています。

5ドル+飲食費で気軽に入れるのでどんなライブをやっているのか外からのぞいてみて、BBキングブルースクラブともう一軒(名前忘れた)の2軒をハシゴしました…

明日はアムトラックの駅からニューオリンズに向かいます!