ハワイ体験レポート ハレアカラ山頂で知るマウイの大自然 その2

ハレアカラのサンセット&スターゲイジング
圧巻の大自然マウイ島の人・風土に触れる体験

ハレアカラの頂上で堪能する人生未経験の数々

カルデラの火口丘や噴火口にはそれぞれ名前がついている。ハイカーの姿が豆つぶのよう
 ゲートを過ぎると、車窓にこれまでと異なる変化が表れた。雲海だ。一瞬、曇ったのかと思うとそれは雲の中を通過中。しばらくすると雲の上。空は青く、雲を見下ろす体験だ。標高2969メートルのビジターセンターに着くと巨大なカルデラが見える。赤土のカルデラの中には大小11個の火口丘や噴火口があり、別世界が目に飛び込んでくる。キリリとした寒さを肌に感じ、自分がたてる音以外の音がないことに気づく。暑くないのに太陽の光がきつく、空との距離の近さを実感。

保護動物や植物は見て観察するのみ、触ってはいけない。歩道を歩くことにも留意
 ビジターセンターでトイレ休憩をすませ、ガイドから火山活動の歴史やカルデラの説明を聞く。この付近で見ておきたいのは銀剣草(シルバーソード)。ヒマラヤやハレアカラなどの高山で50年から100年という時間をかけて成長し、2メートルほどの花軸に赤紫色の花が咲く。また州の鳥「ネネ」の観察も期待できる。雁の仲間であるネネは一時、絶滅の危機に瀕したため、保護をして生息数を増やしている。国立公園には保護動物や植物が多いので観察する貴重な機会だ。

標高3055メートルの証拠。知識の豊富なガイドで星空を見る体験がぐんと深まる
 ビジターセンターから「レッド・ヒル」と呼ばれる山頂標高3055メートルの最高峰へ移動すると、目の前は360度のパノラマビュー。広がる雲海の向こうにハワイ島、ラナイ島、カホオラヴェ島、モロカイ島はもちろん、視界が良ければオアフ島まで見えることも。このあとはサンセットの時間待ちだ。誰もが記念に残るサンセットの写真を撮りたいもの。太陽の角度やカメラのアングルを知り尽くしたガイドのアドバイスが得られるのも、ツアーならではのことだ。

サンセット以降はガイドはカメラマンにも変身。最高の一枚が撮れたお客様は大喜び 写真提供:風マウイ
 感動のサンセットのあとは、星空観測。その前に車内で温かい日本茶とお弁当で夕食をとる。お腹が満たされると体も暖まり、気持ちがさらにほぐれる。参加者用の防寒着を着てガイドが設置した天体望遠鏡を見ていると、気分はワクワク。太陽の光が遠ざかり、月がのぼってくる前の暗闇がやってくると、空には星がこんなにあった、まさに満天の星とはこのことだと実感する。ガイドは天体にも詳しく、話は太陽や月、地球などの太陽系からその先の宇宙まで話が広がる。

宇宙規模の体験をすると参加者同士に結束ができる。同じツアーに参加したのも何かの縁と、和気あいあいの帰り道も楽しい 写真提供:風マウイ
 太陽の家と呼ばれるハレアカラで、サンセットと星空を見ると、あらためて太陽と月の存在を感じ、地球という一つの星にいる自分の存在を感じる。満天の星を眺めながら、星の一生の話を聞くと、自分の人生に向き合う気持ちが引き締まる。暗闇のなかを空港やホテルに戻る車のなかで、参加者同士もすっかり打ち解けて、和気あいあい。ツアーに参加して得た最大のものは、大自然からの予想以上のプレゼントであったことは間違いない。