SLやまぐち号、17年に新車両 名客車を現代風に復刻/JR西日本

 業界紙トラベルニュースより

 JR山口線新山口―津和野間を走る「SLやまぐち」号に2017年9月から新車両が登場する。蒸気機関車(SL)全盛期の昭和10年代に活躍した車両を現代風に復刻する。専用の展望室も設置される予定だ。
 新車両は5両編成1本で、JR各社でも初のSL用客車の新製になる。外観は昭和初期の客車の特徴である丸屋根構造を採用する一方、車内は温水洗浄機能付きのトイレを設置するなど現代的な設備を備える。茶色ベースでレトロ調な塗装や展望デッキは継続する。
 SLやまぐち号では初の常時連結になるグリーン車は、昭和初期の一等車両マイテ49形式をモデルに設計し、回転リクライニング席とボックス席が並ぶ。グリーン車乗客の専用の展望室と展望デッキも設ける予定だ。普通車にはフリースペースやイベントカウンターも設けられ、アテンダントの乗車も検討されている。全乗客が利用できる展望デッキも設ける。一編成の定員は約240人。車内スペースの充実で、現在の360人から大きく減る。
 JR西日本の担当者は「現在6割近くが中国地方からのお客様。テーマ制のある復刻版新車両の登場で、遠くからわざわざ乗りたい列車、観光素材にしたい」と期待する。新車両が登場する17年度は、沿線各駅をレトロ調にリニューアルし、蒸気機関車D51(デゴイチ)の復活運転や山口ディスティネーションキャンペーン(DC)の開催も予定されている。