西谷 文和さん イラク現地から 続編

11月26日
 シリア・アレッポのアザズで水曜日、トルコの人道支援団体が運営する支援物資輸送の車列をロシア軍航空機が空爆、7人が死亡し10人が負傷とのトルコ側報道。
映像→ https://t.co/HjmS9tX5Qv https://t.co/vQfe8jZ1R2
 クルドでも名誉殺人がある。父や兄が指定する男に娘が嫁がなければ、父が娘を殺してしまうのだ。この子の母親は父の指定した男とは別の恋人と結婚した。激怒した父親が夫を殺害。娘はこの子を連れて逃げてきた。スレマニのシェルターで。 https://t.co/0bKRFnPcAx
 通訳のファラドーンはハラブジャの出身。ハラブジャはフセインの毒ガス攻撃で一瞬にして5千人がなくなった虐殺の村だ。サリンマスタードガスで多くの人々が傷ついた。1988年3月のこと。これは当時のファラドーンのおばさん。今も健在 https://t.co/TF6g8oyUJ4
11月27日
 ロシアがカスピ海から巡航ミサイルをシリアに向けて撃っている。クルドはちょうどその軌道上にあって、上空が危険だということで、イラクの空港は閉鎖されていた。ようやく空港がオープン。2日遅れで帰国便に乗り、現在無事イスタンブールです。
 今年3月IHHのシリア人医師マフムードと出会った。彼の壮絶な体験を紹介する。 ホムスではアサド軍の空爆が続いていた。その日も患者が運ばれてきた。若い女性は、テーブルの上で息絶えた。「ダメだったか」。次の患者の手当をしようと思ったその時、彼は目を見張った。
 死亡した女性の腹部が動いている! 緊急手術に入った。腹部を切開して9か月の赤ちゃんを取り出した! 女の子だった。その子は今、2歳。40歳代に突入したマフムード、シリア内戦までは紅顔の美青年だった。彼は今、白髪頭の中年親父になった。体力的にも精神的にも限界の日々を送ってきた。
 「俺は欧米の外科医にも負けないよ。この数年、誰よりも手術をしてきたからね」そんな医師マフムードが働いていたのがIHHだ。ロシア機はそのIHHを空爆した。マフムードたちの安全を祈るとともに、こんな野蛮な空爆に負けず、今後も継続することを願う。
 昨晩、無事イラクから帰国しました。30日の月曜、朝の朝日放送ラジオ「おはようパーソナリティー道上洋三です」で、イラクの現実を報告する予定です。関西地方の方、聞いてね。朝8時過ぎだと思います。