スキーバス事故の本質は規制緩和だ!

写真はの朝日新聞社
 企画した旅行社や運行したバス会社などのズサンさは明らかではあるが、こんな事業者の参入を許した規制緩和策こそが本質的な問題だ。関越道事故などでも教訓として指摘されている。消費者の選択肢を増やすとの名目で競争促進策と若者を含めた貧困の拡大とが相俟って、安全二の次の低価格志向、「安けりゃいい、安いのが最高」までの価値観の変化につながったのではないか。
 そんな社会的貧困と規制緩和の中で,儲かりゃ何でもする、バレなきゃ違反も…なんて思う業者が出て来たとのだろう。国交省は、事故が起きてから、法令違反を摘発し、安全管理の強化通達や実効性の薄い机上の「改善」指示を出し、悪質な場合には認可取消をする。
 いま現場では、今回は何が出て来るのかと戦々恐々になっている。真面目にやっている多数の事業者にとって時間と手間がかかり迷惑この上ない。
 一部のメディアはお題目の如く「規制緩和による競争激化」が背景にあるとはいう。背景というよりも、"ことの本質"だろう。もっと深く継続して議論してほしい。これだけの犠牲の前では、ズサンな管理や不注意を言いつらうだけでは、無念な死を押し付けられた若すぎる霊も浮かばれない。