加速化する民泊を危惧

業界紙トラベルニュースの社説から
 「民泊」が加速化している。旅館団体の関係者はこう嘆いた。「いくら国や政治家に陳情を繰り広げてもまったく相手にされず八方塞がり。反対を叫んでいるのは我々だけで、他の業界は歓迎ムードだ」。
 旅館業法でいう簡易宿所の基準は今年度中にも緩和される見通しだ。不動産業者などはすでに法改正までを見越して主要な都市に新築を計画しているという話もある。建築した民泊を自ら運営するまではできないので、不動産業者が旅館ホテルに依頼しているというケースもあるらしい。こうなってくると旅館業界が賛成、反対に二分されることにもなりかねず、業界のまとまりがなくなってしまうことが危惧される。
 一方で、民泊の既成事実化もどんどん進んでいる。旅館業法上クロが明確なのに、目立ったニュースはあまり見聞しない。旅館業法は宿泊客の安全安心のためにあるはずで、当局がクロを放置したままなのは解せない。これでは何かコトが大きくなってから...という後手の対応になるのでは、と心もとない。
 年明け早々、後手の対応はまずいと学んだばかりではないか。バスと民泊を同列に論じきれないかもしれないが、根本の構造は同じ。民泊施設が何か問題を起こし、きちんとした旅館が取り締まられるのは目に見えている。杞憂であればいいが。