頼むぞ鉄人28号「長田の守り神に」

KokusaiTourist2009-11-18

震災15年控え復興シンボル 特需見込む地元商店街
(読売10月5日付け)
 紙吹雪が舞う中、テープカットをして完成を祝う関係者(神戸市長田区で) 鉄人28号発進――。阪神大震災からの復興シンボルとして作られた鉄人28号の実物大モニュメント(高さ18メートル、重さ50トン)の完成式典が4日、兵庫県神戸市長田区のJR新長田駅南の若松公園であった。


 往年のアニメファンや家族連れら約2万人(主催者発表)が訪れて、記念撮影をするなどしていた。地元商店街などでは、鉄人関連グッズが登場するなど関係者は街おこしの拠点として期待していた。
 神戸出身の漫画家横山光輝さんの作品にあやかり、地元商店主らでつくるNPO法人「KOBE鉄人PROJECT」が、来年1月に15年を迎える震災復興の目玉にしようと、2005年から計画を進めてきた。総工費1億3500万円。
 式典には、テレビアニメで鉄人を開発した敷島博士の声を担当した矢田稔さん(78)が出席。矢田さんがリモコンを持って、「行け、鉄人28号」と叫ぶと、関係者28人がテープカット。テーマ曲が合唱される中、紙吹雪が舞い、大きな歓声が上がった。同NPOの正岡健二理事長(61)は「震災の犠牲者のためにも、神戸を大きく飛躍させる起爆剤にしたい」とあいさつ。井戸知事は「震災15年を迎えるのにふさわしい長田の新たな守り神ができた。街に元気を与え続けることを期待する」と述べた。
 一方、商店主らは〈鉄人特需〉を見込む。新長田1番街商店街などは、鉄人グッズが当たる「鉄人28号誕生セール」を展開。記念Tシャツやタオルなどを販売する「ジーンズ&カジュアル スミス」経営の桑野富彌さん(62)は「来店者はいつもの3〜4倍」と言い、「震災で多くの店がつぶれ、再出発した過程を思うと本当に感慨深い」と接客に汗を流していた。
 大丸新長田店地下1階の総菜店「三福」では、ホウレンソウや鶏肝、ヒジキなど鉄分豊富な食材を中心に、28品目を詰め込んだ「鉄人弁当」(800円)を27日までの期間限定で販売。担当者は「鉄人のようにパワーをつけて」とPRする。
 2階特設会場では、鉄人28号のブリキ人形をはじめ、昭和30〜40年代の雑誌や映画ポスターなど計約550点を紹介した企画展を開催。携帯ストラップ、シールなども扱い、来年2月15日まで。