観光関連トップ層の年頭所感 その1

日本旅行業協会(JATA)会長 田川博己氏
今年はブラジルのリオデジャネイロでオリンピックとパラリンピックが開催され、閉会式では次回の開催地として「TOKYO、JAPAN」とコールされる。日本が世界中から注目され、ツーリズムの重要性がますます高まるとともに、2020年以降の日本のツーリズムを考えていく重要な年となる。
 JATAは16年を「海外旅行復活の年」として、海外渡航者2000万人の達成に向けた需要喚起と市場創造に取り組み、双方向の交流拡大に努めていく。地域との連携を強化して国内旅行市場の活性化を推進するとともに、東北へは人の交流を通じた復興支援活動を実施する。インバウンドは2000万人の次のステージに向け、量の拡大だけでなく質の向上や旅行者への「安心・安全の旅の提供」に向けて取り組む。昨年に発表した海外・国内・訪日旅行による三位一体の「JATA政策提言2015」の施策を、1つひとつ実行していく。
 昨年、日本は国連世界観光機関UNWTO)の理事国入りを果たした。JATAとしても、民の立場から国際ツーリズムのなかで日本のリーダーシップを発揮するため、観光を通じた文化遺産の保護育成に取り組むなど、観光と文化の両立をめざすUNWTOの活動に参画していく。
 JATAの活動の象徴である「ツーリズムEXPOジャパン」も、ホップ・ステップ・ジャンプの「ジャンプ」の年を迎える。BtoBとBtoCの両面で、ツーリズムの持つ力と可能性を知らしめる大きな舞台であり、日本のツーリズムのプレゼンスを国内外に発信していきたい。